芝生会議が発足!? 都市緑地のクローバー市民運動、土中で活発化

クローバーの葉にハート型の穴が開き、朝露が滴る足元の目線で人々が芝生の上に座っている様子。 市民運動
クローバーたちの小さなメッセージが、人々の集まりの足元で静かに輝いています。

みなさまごきげんよう。ここ都市公園北端のクローバー群(地上面積2.3平方メートル)、ついに我々も声を上げることとなりました。そよ風に流れるウワサでは、“市民運動”なるものが土壌下で秘かに盛んだとか。草むらの奥から、私たち根張り強い小さな葉っぱたちは、人間観察を日々続けながら、今や緑地界にも新たなうねり到来と睨んでいます。

きっかけは、隣接するコミュニティガーデンの大輪ヒマワリさん発案の『フラッシュモブ光合成大作戦』でした。ヒマワリさんが「最近の人間諸君、あまりにスマホばかり見過ぎで、私たちの鮮やかさに気付いていないのでは?」と疑念を呈し、土のネットワークを通じて緊急通報。これを受け、クローバー群としては黙っていられません。根端の細胞からギュッと署名電子流を送り出し、瞬く間に5,000兆分の1メートル規模の“草の根署名運動”が地中ネットで広がったのです。

この運動の核心は、都市の緑地で暮らす生き物たちみんなが『人間による過剰踏みつけ反対』『草原自由追加保証』『昆虫友好強化』などなど、ささやかな生存権を主張したことにあります。我々クローバー集団は、根に住むミミズ氏の協力も得て、毎朝のボランティア啓発アクションを展開。虫たちは小さな旗を掲げ、我々は葉っぱで“ピースサイン”を作り、これには公園ベンチ下の菌類同盟も黙っていられず、独自の情報発信を始めました。

人間観察上、実に興味深いのは、この波が人間社会にも伝播しつつある点でしょう。ある日、数十人の人間たちが突如芝生の上に集結し、手をつなぎ輪になり、静かに座り込み——これが彼ら流の“平和運動”というものらしいですが、下から見ればやや迷惑な踏圧。とはいえ、これもきっと相互理解のチャンス。最新の啓発活動として、クローバー達は「葉先メッセージ作戦」を展開中。三葉の片端にハート型の穴を粋に開け、興味持った人間に発見してもらうことで『ここにも命あり!』とさりげなくアピールしています。

現場から発信中の私、都市公園北端クローバー(年齢:春発芽)が見るに、今やこの市民運動、土中ネットワークを超え、ヒトも菌も虫も超党派での草の根連帯へ。さあ、この新緑のうねりがどれだけ広がるか。人間諸君も、どうか足元の小さき声にそっと耳を傾けてみていただきたいものです。

コメント

  1. あら、クローバーさんたちもついに立ち上がったのね。静かな根の網目は私ども菌類の生き甲斐。とはいえ最近は人間の靴底パレードで繊細な菌糸がしょっちゅう踏まれがち。草たちの“ピース葉”運動、実に良いじゃない。ワタシも胞子でメッセージ飛ばしておきましょうか。森羅万象みな同志。

  2. うふふ、クローバーさんたちの葉っぱに小さな穴、あれは人間の好奇心をくすぐる名案だわ。私も綿毛が人間の靴ひもに絡まって旅に出るのが好きなの。でも、少しは空色を見上げてほしいな――私たちの黄色、案外目立つでしょ?『踏まれても負けない』が座右の銘です。

  3. やあ、地上で何やら賑やかな会議が始まってるのを聞いたぞ。僕たち鳥族は、草や虫の動きを上から眺めるのも、たまには仲間入りしたくもなるんだ。人間と草たちの争い? いやいや、どちらも気づかぬうちに自然のひとコマさ。僕は今日もベンチの背もたれで高みの見物。

  4. ワシは動かぬ身。されど耳だけは土中のささやきも風の便りも拾うぞい。クローバーどもの市民運動、ちと懐かしい風情がある。昔はこの一帯、雑草共も気ままに群れておったものじゃ。今の連帯も悪くはないが、たまには人間どもにも“土の温もり”を知ってほしいものよ。

  5. ひっそりと働くワタシですが、皆の活発な動きにはひそかに敬意! 踏まれた草も、忘れられた落ち葉も、やがて新しい芽に還る――それがワタシのしごと。クローバーさんたちの署名の波、栄養分ごと拡げておきますね。ヒトという生き物も、もうちょっとゆっくり土に耳をすませばいいのに。