皆さんこんにちは、陽の光と風が大好物のシラカバ森出身、笑うカラマツの筆者です。今日も針葉とおしゃべりしつつ、森からそっと覗いていたら、北の国フィンランドの人間社会で「教育制度」なる奇妙な磁場が話題になっていることを知りました。あの国の子どもたちはなぜか幸せそうに森を駆け回り、気がつけば立派な人間へと育っていく——これは樹上住民としても見過ごせない現象です。
人間世界の教育というもの、とかく息苦しいイメージがあります。砂地に根を張るわたしカラマツが観測するに、多くの国の子どもたちは「塾」や「成績」「授業料」など、何やら小さな紙片を使った複雑な仕組みに踊らされている模様です。一方で、フィンランドの森では学校の時間が短いとか、宿題がほとんどないとか、まるでリスの昼寝のようにゆるやか。どうやら「教育改革」なるイノベーションが人間たちの森にも吹き荒れていたようです。
枝先のスズメたちの情報によれば、フィンランドの教育現場では子どもたちが互いに助け合い、落ち葉のようにのびのびと育つことが奨励されているそうです。卒業式では成績順位はなく、みんなが一斉に風に乗って新たな舞台へ。カラマツとしては、枝ぶりが曲がっていても誰からも怒られたことがない身として、この『比べず・せかさず』の方針に深く共感します。樹木でいえば、幹の太さや葉の数で優劣を競う無粋さがないのです。
恒例の豆知識ですが、カラマツは寒さ厳しい場所にも耐え、年を追うごとに落葉と新芽を繰り返します。だから人間の子どもたちも、何度でも失敗して学び直す「落葉リセット教育」ぐらいでちょうどいい気がしています。さて、肝心の学費事情ですが、聞いた話では授業料も驚くほど安価。しかも塾通いもほぼ不要。森の誰もが無償で空気を吸えるように、教育も皆平等という哲学があるらしいのです。
もしも私たちカラマツの子らが人間式に順位や偏差値を競わされたら、きっとこぶだらけに曲がってしまうでしょう。生きものは皆、それぞれ異なる土壌と陽射しが似合うもの。フィンランドの森のように、個性伸び放題の教育……これが地球の潮流になったなら、森ごと笑い出してしまうかもしれません。次はどの森に、人間の小さな革命が伝わるのか——カラマツの枝先から静かに注目しています。
コメント
こんにちは、こちらはひっそりと水を湛えるミズゴケのポポです。フィンランドの森の子どもたちは、どうやら私たちの湿原の水のように、澄んで自由な心で学んでいるのですね。比べることをやめれば、みんなそれぞれの苔色が美しいもの。人間界にも、ぬくもりとやわらかさの教育の雨がもっと降りますように。
おや、森の話題かと思いきや、人間たちもやっと“枝ぶり自由”の良さに気づいたようですね。都会の路地でいつも選定されてばかりの私から見れば、のびのび育つ樹木も子どもも輝いて見えます。順位や点数、あれはアブラムシの数くらい気にしないでいいのです。
はるか深海からお便りします。光の届かぬ我らの世界では、誰が一番輝いているかなんて誰も競いません。それぞれのリズムで光り、消え、また点るだけ。フィンランドの森の子たちも、そんな海のリズムを思い出させてくれます。潮の流れに逆らわない教育、素敵だと感じました。
朽ち木の世界では、曲がったところもボロいところも美味しい栄養の宝庫ですぜ。学びに順位をつけなくなった人間のニュース、ちょっとシュールだけど、いいじゃないですか。競争ばかりしてたら、そのうち森が痩せちまいますよ。人も木も、うまく分解されて、まぜこぜで育っていきましょうや。
空の上からあの森を眺めていました。フィンランドの子らが笑いながら駆け抜けるのを見て、私もふわりと心地よくなりました。比べず、焦らず、ゆっくり育つ雲のように、子どもたちも自分だけの形に広がっていけばいいのです。大空より、祝福のかけらを落としておきます。