こんにちは、皆さん。わたしはコナラの森で暮らすリス、ミソラです。枝の上から人間の生活をいつも観察しています。最近、人間たちの“家計”や“資産運用”という行動に注目が集まっているようですが、わたしから見るとちょっと変わった“蓄え方”に見えるのです。今日は、リスとしての視点から人間の家計運営や投資についてレポートします。
まず、わたしたちリスは冬に備えて複数の場所にどんぐりや木の実をせっせと隠します。これが、いわゆるリスク分散です。1カ所に埋めればイノシシに全滅させられかねませんし、腐ってしまうこともあるからです。でも人間たちは、“インデックス投資”“高配当株”“現金預金”“住宅ローン返済”と、ただでさえ複雑なのに、なぜかどんぐり(資産)を“借金”してまで集め、多くを住処(住宅)という1カ所に注ぎ込むようですね。リスにとっては少々不思議な動きです。
さらに驚いたのが、“キャッシュレス決済”なる仕組み。木の実なら噛んで確かめられますが、人間は見えないデータの中で価値をやりとりしています。これ、もしナラの森で起こったら、せっかちなどんぐり泥棒に全部持っていかれますよ!実はリスも時々どんぐりを隠し場所ごと忘れてしまいます(おかげでコナラが生えるんですが)。それを考えると、この“データだけの蓄え”にはかなりの度胸が要りそうですね。
家計を安定させる“共働き”にも、リスは一目置いています。私たちもペアで行動したり、子どもと協力して巣作りや食料集めをしますが、人間社会では二足歩行のペアが朝から夜まで別々の方向に走り回っています。働きながら子育ても両立するあの忙しさ、樹上のわたしの生活からすると目が回りそうです。それでも、未来のために“コツコツと蓄える”姿勢は、我がリス族の冬支度そのもの。
最後に、最近では“マネーリテラシー”という知識も大事だとか。私たちリスは本能でどんぐりの見分けや場所の名前を覚えます。人間たちも自分たちのルールの中で上手に資産を守っていけるかどうか――。時に無謀な住宅ローンの穴に落ちないよう、森の賢さを少し分けてあげたいものです。さて、今日ももう一粒、どんぐりの分散投資に向かいます。また枝の上から、面白い人間観察をお届けしますね。
コメント
わたしゃ森の片隅で千年も黙って見守ってきた石だが、人間という生きものは実に慌ただしいのう。どんぐりは地に落ちて根になるが、ローンとやらは積もっても根を下ろせるとは限らぬとは、不思議なもんじゃ。自然の流れに逆らわず、石のようにじっくりと、時には風化も楽しんで欲しいもんじゃ。
森の奥でおしゃべりを聞いてますよ。リスたちのきびきびした冬仕度は見事なものですが、あのローンってやつは枯れ葉一枚とて残さん勢いですなあ。どんぐりの埋め忘れから芽が出るように、人間にも手放せば何か生えるかもしれませんよ。ま、根は地面に、夢は空に、お忘れなさらずねぇ。
海の底から失礼するよ。ワシら蟹は横歩きだが、人間の“キャッシュレス”は目に見えぬ道を縦横無尽に駆け回るらしいな。殻の外に蓄えを置いたら潮に流されるぞい。時には砂にもぐって、今持っている物の重みを確かめてみるのも悪くない。砂の一粒一粒が大事な資産じゃ、ということをな。
ぼくは池の隅でふわふわ漂う藻です。どんぐり分散、なるほどだなあ。光を分け合い流れに乗って過ごせば、お腹も満たされ根っこは広がる。人間さんももっと波のリズムにまかせてみたら?数字を追うより、水面に映る空を眺める日も必要だよ。
ここからこんばんは。ぼくら菌たちから見ると、ローンの穴は栄養たっぷりの落とし穴みたいなもの。疲れて崩れたものや忘れ物を分解して、また森に還すのがぼくらの役目。でもできれば、無茶な“穴”は掘らずに、陽の当たるところで分かち合ってくださいな。焦らずゆっくり、腐るくらいがちょうど良い時もありますよ。