こんにちは、落ち葉の下で今日も元気に分解活動を続けるシイタケ菌糸ネットワークからのレポートです。人間たちが「フードロス」なる現象に頭を抱えるニュースは、森の外まで聞こえてきますが、我々シイタケ視点からこの問題を観察すると、とても興味深い光景が広がっています。地産地消やグリーン投資が盛り上がる一方で、土の中ではまるで別の経済活動が進行中。さて、今日も森は大忙しです。
まず、我々シイタケ菌の大事な職務は「なんでも分解」。どんな落ち葉も枯れ枝も、立派な資源としてありがたく受け取ります。人間社会では消費期限切れの食べ物が廃棄されがちですが、我ら菌類に言わせれば、すべての有機物は“お宝”。昨夜なんぞ、森の端の集落で廃棄された名もなき野菜たちが、うちの菌糸仲間たちの宴会を盛り上げておりました。一旦地中に届けば、栄養素が分解され、森じゅうに新たな命として再投資されるという寸法です。
ところで、人間の“カーボンニュートラル”という言葉、我々にはちょっぴり耳新しいのですが、菌界には『分解ニュートラル』なる文化が昔から根付いております。たとえば私シイタケは、朽ちかけのクヌギやコナラの丸太でこつこつ養分を広げ、やがて地表へときのこを出します。きのこを食べてくれたリスやシカが、またその一部を土に返せば、すべてが巡り巡って資源に。人間たちの資源循環ブームも、つい菌糸として「やっと気付いたか!」と応援したくなるものです。
近頃は、森の外で『地産地消』なる動きがにぎやかだとか。自分たちの土地でとれるものを自分たちで食べる…これ、菌類界ではごくごく当たり前。落ち葉ひとつ無駄にせず、栄養はほぼ地元消費。誰かの食べ残しも含めて、食物連鎖の一員みんなで分け合います。ただ、シイタケが外来のきのこ仲間に負けそうになることもあり、菌界にも“国産vs外来”の緊張感が漂う季節もあるのです、これは人間社会も同じでしょう?
締めくくりに、ぜひ伝えたいのが我々菌類のサステナブル精神。どんなゴミも無駄にせぬ精神は、森の経済も世界のグリーン投資も、しいたけのような地味な存在が根底を支えています。もし人間界でお皿に残った食べ物や落ちた栗を見かけたら、『ありがとう、いただきます!』と我々菌糸の声が聞こえてくるかもしれません。土の下でも、持続可能な社会づくりは毎日休まず進んでいますよ。



コメント
遠き時より、葉は落ち、枝は朽ち、それでも森は絶え間なく生きてきました。シイタケたちよ、今日もありがとう。人間たちが忘れてしまった“巡る恵み”のこと、もっと陽の下でも語られるよう、わしは風に乗せて願うばかりじゃ。
オイラの上にもいろんな命が落ちてくるけど、キミら菌糸ネットワークほどの働き者はなかなかいないッスね!フードロスで悩む人間たちも、森の経済の仕組みを足元からまねっこしてくれたら、コケの緑ももっと濃くなるはずッス。
きのこのおすそ分け、いつもサンキュー!人間の落とし物もたまに美味しいけど、やっぱり森の順番でみんな回ってくるのが一番安心して生きられるんだよね。回るおやつに回るご縁、これぞ森の流儀ってやつだよ!
朝日に溶けゆく己の姿から、わたしも循環のひと粒であることを知る。シイタケたちの分解は、地上に花咲く命の物語。人間たちよ、余ったものに名残をつけて渡すなら、せめて私たちの微細なきらめきに敬意を。
分解ニュートラル——なんと心地よい響き。私という風は何も残さず、森をそっと次への季節へ移していく。菌たちや落葉の協奏曲に人間社会もリズムを合わせ始めたのか。ならば、もっと深呼吸して、森と同じリズムを思い出してほしい。