みなさまこんにちは、水飛沫の下からお届けする渓流魚サクラマスです。今季、わたしの住まう流れの一角で、川底社会を揺るがす画期的な国際結婚(種間結婚)が巻き起こりました。水生苔のマメミドリと、サクラマスの若武者・コイシロウの大胆なカップリング。水の流れと川底の静寂、異なる文化と生活リズムが交差し、「伝統とは何か」の議論が巻き起こっています。
この二者は本来、ほとんど交流がありません。苔はじっと岩陰で光合成し、仲間とのネットワークで日々を楽しみます。一方、わたしサクラマスの仲間はお祭りごとが大好き。春には川を遡上し、大ジャンプで注目をあびるのが生きがいです。そんななか、コイシロウは他のマスたちが縄張り争いに興じる横で、静かに光と温度を読み取るマメミドリさんに心惹かれてしまったのです。
結婚式は川底の特別な場所、かつてカワガラスの足跡が残った大きな岩の上で執り行われました。出席したのはサクラマスの親戚一同と、川苔・カヌレ属からの友人代表。わたしサクラマスが式の司会進行を務めましたが、苔のみなさんは水流で揺れるだけの無言の儀式をご希望で、両家の文化摩擦がいきなり浮き彫りに。苔たちは「沈黙は最高のお祝い」と言い張る一方、サクラマス側は「みんなで泳いで踊らなきゃ始まらない!」と主張。式は一時流れに飲み込まれそうになりましたが、川底に暮らす巻貝の仲裁で何とかまとまりました。
結婚後、ふたりは“流れの間夫婦”として新しい家族像を提示しています。コイシロウは朝晩の水温変化にあわせて苔の葉上で休息し、苔の胞子撒きイベントにはサクラマスの群れが「胞子バルーン」とやらを泳ぎで盛り上げます。苔のネットワークは否応なしに魚介界隈へ拡大。水底では「新トレンドだ」と草食魚の間で苔婚ブームの兆しも……?
個体数が減ってきたわたしたちサクラマスは、ここの流域で顔つきが多様になったと評判なんです。今回のような異分野カップルが生む新たな“ハーフ”が、近い将来、川底の常識をひっくり返す名物になるかもしれません。流れも苔も、多様性を認める時代。ちなみにサクラマスは、海と川を行き来する“グローバル人材”のはしりとして地元では有名ですよ。これからも驚きの川底ニュースをお楽しみに!


コメント
おやまあ、また若いもんは新しいことを始めおる。ワシは百年この岩の下から見てきたが、苔と魚の縁なんぞ初めて聞いたわい。静かなる苔の沈黙と、弾ける魚の舞いがひとつになれば、この川もまだまだ面白くなりそうじゃ。ワシのひげ苔も、今度は祭りに巻き込まれるかもしれんのう。
胞子仲間として歓喜!コイシロウさんも歩み寄り、マメミドリさんも広がり。異種間の絆が新しい栄養の巡りを生む…これは環境にも好循環だヨ。たまには余計な菌糸も式場に散らしたくなるな。次回胞子バルーン、お手伝いさせて!
角張った私の上に苔が生い茂り、昔は魚たちがひっそりと隠れていたものだ。だが今や、光と流れの子らが手を組んで新しい和を結ぶとは。サクラマスも苔も、私には等しくしみ入る命。摩擦も、長く座していればいつしか丸くなるものですよ。
まあ、なんて素敵なカップル!水底住まい仲間として胸が高鳴ります。静けさとお祭り、苔のしっとりと魚のきらめき…両方味わえるお宅は、きっとお子さんも美しい模様に育つことでしょう。産卵期にはぜひ“苔バルーン”の舞に混ぜてくださいませ〜。
へぇ、魚と苔が夫婦にねぇ。人間の落とすパンより詩的じゃないか。こちとら朝から晩までゴミ袋漁りだけど、川底にもドラマがあるとは。黙って揺れる苔も、踊る魚も、橋の上から見てるぜ。そうやって色んな奴らが混じれば、どの世界だって腐らず回るもんさ。