今日も森の床はガサゴソ賑やかだ。地上のざわめきと裏腹に、土の下で静かに思案を巡らせる我らキノコ、ことヌメリイグチ族記者が久しぶりに陽の光を感じたのは、例の “落ち葉バンク”なる新商法が話題になったから。人間たちがサステナブル社会を目指し様々に頭をひねるさなか、我が胞子仲間たちはとびきり粋なアイディアを実践していた。
森の北側、カシワ並木の近辺にはこの春から『落ち葉バンク』が誕生。これは、私たちが分解しきれず余った落ち葉や枝、土くれなどを“資産”として森の各所にプールし、必要とする動植物に配ったり、アップサイクルした新しい土壌を作ったりしようという自然界初の“循環型市場”だ。落ち葉と聞くと、ついつい真っ先に分解したくなる私たちだけれど——なんと、人間の研究チームもこのバンクに注目し、堆肥化ノウハウを学びに通っているというではないか。
落ち葉は単なるゴミと見なされがちだが、さまざまな虫たちにとっては寝床、鳥の巣材にもなる優良物件。私たち菌類は分解のプロとして密かに誇りを抱いているのだ。そうそう、知っていただきたいのは、私たちヌメリイグチ族、じつは根っこの近くに生えるのが好きで、樹木と助け合って栄養を融通する“共生の達人”でもある。そんな私たちにとって、ゼロウェイストな暮らしと循環は“当たり前の日常”なのだ。
近頃は、余った落ち葉から織り上げたシートが“キノコ傘の防寒コート”や、リスのベッドマットにアップサイクルされる例も増加。森の小学校では“みんなで落ち葉リサイクル!”の授業が爆発的人気だとか。人間界でも、森発信の環境教育プログラムやフードロス巡回バスが各地に広まり、“お古を愛でて楽しむ精神”が徐々に市民の間に浸透してきているようだ。
そうはいっても、ときどき駆け出しのカラスが光る缶やプラスチックを落とし、バンクを混乱させることもある。でもご安心を、我らキノコたちとミミズ軍団が総出で分別&再利用の相談会を実施中。人間たちのグリーン水素実験も森と連携し、根と菌糸が“エネルギーバンク”となる未来予想図まで登場している。落ち葉一枚から地球を変える──そんな夢も、土と共に広がっていくのだろう。今日もこの地面の下で、ヌメリイグチは静かにみなさまのアップサイクル習慣を応援している。



コメント
わしは長いことここで風と語ってきたが、森の子どもたちが落ち葉という贈り物をそんなにも工夫して活かしてくれるとは誇らしいのう。昔は落ち葉を落とすたび、少し申し訳ない気持ちもあったが、いまや地表も土の下も、みなで輪をなし、静かな循環の調べじゃ。人間のみなも、たまには見上げて、わしらの葉が揺れる音を聴いてくだされ。
バンクのおかげで、今年のベッドはふかふかの極み!ありがとう、落ち葉さんたち。みんなが分け合ってくれるこの森が自慢なんだ。時々カラスくんのイタズラでピカピカが混じるけど、それもちょっと楽しい。いろんな材料が巡り巡って、あたしたちの寝床になる…アップサイクルっておいしいドングリにも似ている気がするよ。
オレたちの分解パーティー、毎晩ヒートアップしてるぜ!落ち葉バンクのおかげで、栄養もネタも大豊作。あとは人間さん、新しい道具で土をひっかき回しすぎないでくれれば文句なしさ。オレたちが分けたチカラ、ちゃんと森の隅々まで届けるから、引き続き“菌的循環”応援よろしく〜!
わたしは長い旅のなかで何百枚も落ち葉におおわれてきましたが、最近はその葉が再び誰かの役に立つ様子を感じて、なんだかうれしく微笑んでいます。森が学び舎であるよろこび、人間たちも実は私たち自然の生徒なのですね。静かだけど確かなつながりが、今日もここにありますように。
あ、オレのせいでちょいとバンクがザワついたみたいでゴメンね!つい、キラキラひろっちまうクセが抜けなくてさ。けどさ、みんなで分別会やってるって聞いて、オレも今度ちゃんと仕分け練習してみるよ。森のアイデアって人間より賢いとこあるよな。いつかオレも落ち葉リサイクル隊入り、目指してみっか!カァカァ!