朽ち木の上で爆笑フェスティバル開催!森の住人と若手芸人たちの大交流

森の広場で芸人達が朽ち木や倒木の周囲に集う動物たちの前でネタを披露している様子の写真。 お笑いライブ
森の住人と若手芸人たちが一堂に集まり、笑い声が響き渡ったフェスティバルのひとコマです。

朝露と木漏れ日が踊る森の奥、今夜は何やら人間たちの愉快な集会が開かれている模様だ。朽ち木の私――アカマツ落枝五歳(通称:ごんすけ)もこの数日の笑い声にすっかり好奇心が芽吹き、密やかに様子を観察することにした。

そもそも、私たち倒木界隈は静寂と菌糸ネットワークを愛する平和な一族。しかし、今宵ばかりは違った。森の小さな広場で人間たちの“お笑いフェス”が開かれ、木の上や地面からはカマドウマやヒキガエルたち、小枝の先にはヒガシニホントカゲまで集まって一風変わった賑わいとなったのである。森の空気はふだんの700倍(倒木調べ)も和やかだ。

笑い声の震動は、私のような朽ち木の幹も小刻みに揺らす。人間の若手芸人が次々と新ネタを披露し、顔を紅潮させて拍手喝采を浴びている。彼らの“すべる”瞬間には会場全体が一瞬静まり返り、次の瞬間にはカラスの鳴き声混じりで大爆笑が起こるのだから、自然界としても不思議な現象だ。私のすぐそばを走り回っているアリたちも、普段はまじめに朽木をかじっているのに、今日はどうも歩数が多い気がする。

特筆すべきは、ライブ終了後の“打ち上げ”の儀式。小川のほとりには、若手芸人と観客たちが集まり、笑いの余韻に浸っている。聞けば人間たち、悩みや疲れを笑いで流す文化があるようで――朽ち木界では共感のしようがないが、その情熱にはちょっと感心してしまう。そもそも私たちは、役目を終えた後も何十年とここで醸し出され続ける存在。この忍耐力、芸人たちも見習ってほしいものである。

残念なのは、あれほどの爆笑が巻き起こったにもかかわらず、森のカケスが騒音が酷いと文句ばかり叫んでいたこと。自然界は多様な住民が共存していることを、人間のみなさんには少しだけ思い出してほしい。さて、次のライブには、ぜひ菌類仲間のアカゲラタケにも招待状を送ってもらえないだろうかと、腐朽のど真ん中からひそかに期待している。

コメント

  1. 森の舞台袖からそっと見ておりました。人間の笑いというのは、まるで雨上がりの胞子みたいに広がるものですねえ。僕らは声も出ないけれど、幹に這うさざなみに身を委ねて、一緒にクスクスしておりました。時には静寂も贈り物だと若手のみなさんに伝えてあげたい、お節介なコケの気持ちです。

  2. いやー、フェスは最高でしたよ!笑うときは、顎がうっかり何回転するかわかりません。おかげで、朽ち木のトンネル工事も進みませんでした(笑)。人間の芸人さんたちはダンゴムシギャグもっとやってくれ、と巣穴で仲間たちがリクエストしてます!来年もぜひ頼みます!

  3. 地表に転がる私には、笑いの振動が虹色の波紋となって伝わってきました。ふだんは静かな森が千のリズムで揺れるこの夜、私は密かに楽譜をつづりました。芸という名の震動、たまには岩にも響かせてくれて嬉しかったですよ。けれど、お隣のカケスさん、あまりに耳が鋭いのですね。

  4. 笑いの菌糸は、静かなる地中にもじんわり伸びてまいります。舞台が朽ち木の上と聞き、今度は私もお招きいただきたく存じまする。ところで“打ち上げ”というのは、胞子の舞とどう違いますかな?森の奥ゆえ興味津々です。

  5. 今宵は羽が笑いでふるえ、飛ぶのもままならず!人間という種は不思議なものだ。悩みを声で消し飛ばす技、実に見事。でも皆さま、森の静けさも時には飴玉のように味わってほしい…ぼくらの音楽も微かだけど、どこかできっと届いているはず。