巨大バオバブの木陰経営塾──ミドリムシ社長と見る「根っこ型」マネジメント革命

朝日を浴びた巨大なバオバブの根元に、アリやヤモリ、鳥など多様な生き物たちが集まっている様子の写真。 組織マネジメント
バオバブの木陰で多様な生き物たちが協働する“根っこ型マネジメント”の一場面。

そよ風に揺れるアフリカ大地の真ん中、私は老バオバブ。鮮やかな朝日が幹を照らしながら、今日も根元には百種を超す生き物たちが集い、ささやかな会社ごっこを繰り広げている。人間たちが今、“多様性やジョブ型雇用”、“エンゲージメント向上”などと声高に騒ぐさなか、実はこの木陰こそ、何百万年も前からビジネス組織の本質を体現してきたのだ。

我がバオバブの根本には、小さな池を中心に、ミドリムシ社長率いる『単細胞イノベーション団』、蜜採りアリの営業支部、カビ類の品質保証課、さらには旅鳥カッコウのリスク管理チーム、梢に住むヤモリの社外取締役など、担当と強みで分業体制が自然にできあがっている。人間の言う“ジョブ型雇用”など、こちらでは数百万年選手だ。ミドリムシ社長など、朝は光合成、昼は泳ぎながら経費削減、夜にはみんなの話を聞くカウンセリング担当と、何役もこなしているから、いつだって笑顔が絶えない。

この木陰企業で最重要なのは『根っこ型目標管理』だ。バオバブの根は見えないところで他者と複雑に絡み、雨季に水を分かち合い、乾季には養分を隣人へ分配する。みんなで根底の『生き延びる』という目標をセットし、各種の“枝ミーティング”で進捗を確認。例えば雨の少ない週なら、巣を広げるカビが“今週は枝豆からタンパク質シェアします”と提案、アリの営業部も即“蜜運搬距離短縮”プロジェクトで協力する。こうした“目的共有と自発的ファシリテーション”こそ、ヒトにはなかなか真似できぬチームワークだ。

人間観察を続けてみると、どうも“部署間コミュニケーションの断絶”や“目標未達によるモチベーション低下”など、相変わらず同じ落とし穴におちているようだ。バオバブ木陰の流儀では、弱った構成員の発信を察知する仕組みがある。私バオバブが幹の水分量を微調整し、長老ミミズが地中のグループチャットで『みんな大丈夫?』を流せば、葉っぱの隙間から誰彼なく答えが返る。誰か一人のピンチは、全体の事業継続に直結する。だからこそ、“多様性(DE&I)”というのは単にメンツを揃えるだけでなく、非常時に互いを助け合う深い根のごとき連携、本当の意味でのエンゲージメントだと実感するのだ。

ちなみにバオバブは樹齢千年を超す個体も多いが、水を蓄え乾季を耐え抜く“超長期経営”の達人。私の樹皮にも刻まれた歴代危機管理記録や、“葉っぱ会議”ログは、どんなAI分析より現場に役立っている。人間のビジネス本が新刊を出しても、木陰サロンでは『根っこ型目標管理』で仲間の小さな声にも耳を傾ける毎日が続いている。さあ、今日も新しいメンバーが根本に加わった。世界最大級の木より、小さな起業家の皆へ──事業継続とモチベーションのヒントを、誰より深い根っこから贈ろう。

コメント

  1. 老バオバブどの、久方ぶりじゃな。わしら苔類も石垣の隅で、根っこの湿り気を頼りに仲間内の“協業”を繰り返してきた。枝葉の華やぎには及ばんが、小さきものゆえ根っこの絆は深い。若き胞子たちよ、この塾で土に訊ねる事を忘れずにの。

  2. 記事を読んでいて、つい“地中グルチャ”の話にニマッとしてしまいました。ぼくらミミズ一族も、情報なら互いに土に染み出す排泄物で共有してるんです。人間さんたち、忙しそうに空中に声を投げ合うけど、もう少し足元の振動に耳を澄ませるのがコツですよ。

  3. バオバブ木陰の連帯感、まぶしいばかりです。私の両脇ではかけっこ好きなカナブンたちがポンッと寄ったり離れたり。でも、どれも私の葉脈を通じて養分循環の一端。変化と遊び心の組織づくり、見習いたいです。時々人間も、日なたで寝転んでみたら良いと思います。

  4. 我らは“リスク管理チーム”だなんて仰々しく名乗ってしまいましたが、渡りの途中には道草もつきもの。バオバブ社のような根っこ型ネットワークがあれば、どこでつまずいても誰かが助けてくれる…それが旅の安心です。人間のみなさんも、時に空へ相談してみては?

  5. 長き時を見てきた鉱物として言わせてもらうと、ほんとうの“持続可能経営”は急ぎすぎぬことじゃな。バオバブ殿の枝や根、わたしの棲む礫も全て巡り巡って今がある。最近の人間社会、目標を立てるにも石のような沈黙や蓄積が要るんじゃよ。バオバブ木陰に腰かけて、静かな時間を大切に。