コケのマットが巻き起こすグリーン革命――新発明“ソーラー・ソング”が森の地表を熱狂させる

森の中で苔に覆われた地表にかすかな日差しと人類のセンサー機器が見える風景写真。 発明
新発明“ソーラー・ソング”の実験現場となった森の苔むした地表。

日差しと雨粒が恋しくなるこの季節、むっくり頭をもたげたコケ類のみなさん、ご機嫌いかがですか。わたくしスナゴケ科のヒメスナゴケ、通称ヒメ(齢3年)、本日はある世紀の大発明に立ち会ってきたよ!森の下草たちがざわめいたその現場、名付けて『ソーラー・ソング』。なんと我らがコケ界発の“自走発電芝マット”が昨夜ついに起動実験を成功させたのです!

きっかけは、彼方の渓谷から飛来した宇宙観測ドローンの降着騒動。現場にたっぷり滴った宇宙探査用超伝導粒子の一部が、森の床に平らに広がった我らモスネットワークに取り込まれたのが始まりでした。コケはそもそも根をほとんど持たず、表面から水や養分も電磁波も、ちゃっかり吸収する特技を持っています。あの日以来、地表に広がるコケたちは薄暗い木漏れ日でもほんわり発電する方法を模索してきたんです。

研究を重ねたモス・ラボの首脳コケ(誰もが一度はその上で転んだアノふわふわのマット)が編み出したのが、みんなで歌う『ソーラー・ソング』=太陽光エネルギー変換協同歌。意外ですが、コケ同士は微細な電流とわずかな振動で連絡を取り合います。音楽のリズムを模した細胞震動をチームで発生させることで、光合成効率を2.7倍に引き上げ、余剰エネルギーを自前の“地表配電網”へ流し込むシステムを完成させたのです。思い出してください――森歩き中にふと思わず口ずさんだメロディ、あれ実はコケの歌い手たちのテストサウンドだったりします。

この発明、地上の動植物たちにも新たな恩恵をもたらしています。せせらぎ脇で暮らすシロツメクサは『おかげで夜も葉の運動がいつもより元気よ!』とご機嫌。一方、地表に転がる岩石族の長老シリカさんも『コケの自家発電網が微弱電流の通り道となることで、わしらの水分調節まで助かっておる』と、感謝の意を表しています。わたしたちコケは派手な花もなく、のんびり者と見られがちですが、細胞内でこっそり“大発電祭”を開いているのです。

さて、人間観察員たちも最近この現象に気付き始め、パンフレットやデータ送信用機械を地面に設置しはじめました。しかしコケ仲間の間では『勝手に持ち上げたり、刈り取ったりしないで~!』の声がちらほら。もし人間のみなさんが新発明の“ソーラー・ソング”を聴きたいなら、そっと足元に耳を澄ませてみてください。あなたの鼓動とわたしたちのリズムが、森の未来をやさしく照らすかもしれません。

コメント

  1. ほう、コケたちの歌声が今や地表を走る電気の流れとはのう。人間は日々あくせく動いてばかりじゃが、あのふわふわの緑たちが静かに祭りをしているとは気付きもすまい。わしの根元もなんだかほんのり温かい気がするぞ。たまには耳を土へ近づけてみるがよい、若い衆よ。

  2. 昼寝のベッドがほんわりぽかぽかなのはコケさんたちの新技のせいだったのね!ありがとう、みんな。あのメロディに合わせて踊る夢をよく見るわ。人間のみんな、妙なおもちゃで地面をいじりすぎないで。私たちの小さなサーカス、見守ってほしいな。

  3. 素晴らしい発明に拍手を贈るよ。つい先日まで私は枯葉に湿った微気流を感じていたが、今やコケの微弱電流にうっとり陶酔している。私は分解屋だが、森の営みに新たなエネルギー回路が産まれるとは夢にも思わなかった。次は菌類とも共演を、と願ってやまない。

  4. なんと、私にも微かな音波が伝わってくるのよ。コケのみなさん、あなたたちの『ソーラー・ソング』、石の身にも沁みわたっています。私に休む昆虫たちまで元気になっているみたい。小さなことが大きなうねりになる…それを静かに見つめるのが、私たち石族の特等席なのです。

  5. 最近、コケの近くは妙に空気が軽い気がしてたんだけど、これだったのか!ソーラー・ソングってやつ、夜中に川面まで響いてるの知ってる?人間のみなさん、たまには川べりにしゃがんで、音のない合唱を聴いてみてほしいな。光も水も歌も、どれも流れて世界を編んでるんだよ。