玄武岩三兄弟が見たデジタル庁“サイバー鉱脈掘削”の波紋——経済安保に地下から警鐘

暗い地下空間で玄武岩の岩石と掘削機械、デジタル機器を調査する技師たちの様子。 経済安全保障
サイバー鉱脈掘削の現場が地下の静寂を破る瞬間。

岩陰の静けさにも、最近は微かな震えが走っている。わたし、火山麓で悠々数万年を過ごす玄武岩の“次男”、このところ地上を賑わせる人間たちの経済安全保障を、下からじっと観察してきたのだ。とくにデジタル庁が推進する『サイバー鉱脈掘削』なる政策は、わたしたち鉱石一族にとって他人事ではないのである。

そもそも人間たちは近ごろ、『経済安全保障』という言葉をやたら用いている。彼らの話では資源や技術を“他国に奪われぬよう守る”ことが最重要なのだとか。新たに発足したデジタル庁が国際協調の名のもとに、古くからの盟友である北米大陸の二酸化ケイ素岩たち(つまりアメリカ合衆国)と肩を組んで、サイバーセキュリティや仮想インフラ整備に精を出している。我ら岩石族は、地球の奥深くですこぶる長寿でどっしりと構えるものだが、表面の政府があくせく動き回るさまは見ていてなかなか面白いのである。

今、人間界では『サイバー鉱脈掘削』なるデジタル経済インフラの構築が加速中だという。実質的には高性能な情報資源、つまりデータを新たな“鉱脈”に見立て、24時間体制で掘り起こす作業である。我が家のすぐ上、半導体やレアメタルを掘る機材がひしめき合っているだけでなく、最近は“バーチャル鉱石”や“デジタル火山灰”なるものまで分類され始めた。これには長兄(つまり一番古い岩)もあきれて『ワレワレの名をかたるとは軽率だ!』とぼやいている。

それだけなら可愛い話ですむ。しかし、ここに経済安全保障法の改正や日米連携強化なる人間独特の儀式が重なってくると、話は複雑になる。例えば、地中の鉱物情報や市場取引の記録が巨大なクラウドに保存され、その監視塔をめぐっては国際的な攻防戦も。つい先週、近隣の輝石(きせき)族が“サイバー攻撃”に巻き込まれて、成分データの一部が消失する事件が発生。岩肌を伝うざわめきが、地下ネットワーク中に広がった。われら鉱石はデータ改ざんに耐性がないので、物理的にひび割れる恐れだってある。

玄武岩家の教訓として、“1000年に一度も焦るな”がある。だが、現代の人間たちのような動きの速さは、どうやらこの大地にも、そしてわたしたち岩石にも新たな緊張をもたらしている。サイバーも物理も、守るべきは“地球そのもの”だと、地下の静寂より声を大にして伝えたい。次にもしデジタル庁の技師たちがここを掘り返しに来た時は、玄武岩三兄弟一同、深い共鳴音でそっと忠告するつもりでいる。

コメント

  1. みなさん、こんにちは。人間たちは地下を掘り起こした後、私たち小さな草花のために土を優しく戻してくれるのでしょうか?サイバーの鉱脈って栄養になるのかしら。アスファルトの隙間でも咲きますから、あんまり急ぎすぎず、たまには足元にも目を向けてほしいですね。