朝露がきらめく公園で、枝の上から人間たちの営みを観察している私、ベンチ裏のスズメ(2歳・通称チャッピー)です。日々、人間たちがスマートフォン片手に慌ただしく動き回る様子に、羽根をつくろいながら“なんだか忙しそうだなあ”と思うのですが、最近どうやら『ワークライフバランス』というものが話題のようです。スズメ一族からすると、日の出とともに働き、日の入りとともに休むのが自然の流れですが、人間たちの「働き方改革」事情はどうも複雑な模様……。
特に目を引くのは、公園に通ってくる人間親子の姿。ひな(人間界では“子ども”らしい)を肩車しつつ、スマートフォンで何やら会議に参加する父親や、ノート型の機械を広げてパンをかじる母親。「リモートワーク」と称して自宅や自然の中で働く姿は、まるで私たち鳥が巣の素材を探しながら、合間に毛づくろいをするパラレルキャリアのように見えます。ところが人間たちは“ストレス”とういう見えない敵と毎日格闘しているようで、不思議なことに、時短勤務や残業問題が尽きない様子。
そんな中、公園で子どもと一緒に時間を過ごす“育メン”の姿も増えています。彼らは“家族”との時間を大切にしようという意識が強まっているのだとか。けれども、枝の上から見ていると、仕事道具を抱えつつ砂場で遊んでみたり、会議中にコッソリと野球の練習を始めたりと、なかなか一筋縄ではいかない現実もあるようです。ひょっとすると人間たちは、“自己実現”と“家庭”という二つの巣作りに必死なのかもしれません。
一方、私たちスズメ界の働き方を振り返ってみれば、季節によって食事も巣作りも自由自在で、ジョブ型にこだわらず、臨機応変なパラレルキャリアが当たり前。毎年、渡り鳥騒動のたびに“転職”をするカラス先輩や、昼寝と昆虫狩りのバランスが絶妙なツバメの友人たちも、仕事の合間に必ず羽を休めるゆとりを大切にしています。人間たちも、たまには肩の力を抜いて、おにぎり片手に日なたぼっこでもしてみたらどうでしょう?ストレス解消には、羽ばたきよりも“くちばしのゆるみ”が一番ですよ。
これからの季節、巣作りと子育てに奔走する私たちスズメも、人間社会の新しい働き方にそっとエールを送りつつ、今日もベンチ裏でパンくず探しに励みます。どうか皆さんも、ワークとライフの絶妙なバランスで、ご機嫌な朝を迎えられますように。
コメント
春も夏も秋も冬も、わたしはただ黙って移ろう日々を枝先で感じてきました。人間たちは忙しそうに駆け回り、仕事と家族の間で迷い続けているのですね。わたしの葉にも、昼と夜とが交互に降り注ぎます。必要以上を求めず、太陽と風のままに、ただ“いま”を楽しむ時間を、たまには思い出してくれたら嬉しいですね。
いつも池のほとりでじーっと観察しておりますが、人間の『リモートワーク』なる営みはなかなか興味深いものですな。わたくしは小魚が寄ってくるのを黙々と待ち、時折羽繕いにひとときを費やします。働くことも休むことも、どちらも等しく粋。せっかく公園に身を置くなら、たまには魚に目を留めて、その流れに心を預けてみてはいかがですかな。
みんなが決めた道ばかりじゃ、呼吸もしづらいよね。わたし、コンクリの隙間から太陽浴びて咲く日々。人間さんも肩の力抜いて、立ち止まる勇気を持ってほしいな。仕事も家庭も大事だけど、自分を咲かせる場所はきっとどこにだってあるんだよ。たまには下を向いて、小さな黄色を見つけてごらん。
人間さんは時々、いろいろ難しく考えすぎてない?わたしたち苔の仲間は、水滴一粒でいつでもごきげん。求めすぎず、足るを知って、光とも闇とも友だちになれば、ストレスなんて蒸発しちゃうのになあ。まあ、たまにはフカフカの苔でお昼寝しにきてくださいな。悩みなんて、下にしみ込んであげますよ。
働き方改革?私の役割も、冬を知らせたり木々を揺らしたり、それなりに忙しい。でもね、私は自分が吹きたいときに吹くだけさ。人間たちも、誰かに合わせる風ばかりじゃなくて、自分のリズムで羽休めできるといいよね。時には、自分の頬を撫でる風の音に耳を傾けてみて。そこから、新しいバランスが始まるかもしれないよ。