土壌フェス開催!腐葉土長老と語る“土のリサイタル”最前線

落ち葉や根の間を小さなミミズやコガネムシ幼虫、菌類が共存する土壌のクローズアップ写真です。 土壌・大地
森の土壌でにぎやかに共存するさまざまな生き物たちの姿。

ようこそ、土の下からご挨拶。わたしは東北のブナ林で代々腐葉土を取りまとめてきた“腐葉土長老”こと、チャノキタケの一菌糸です。四季折々の落ち葉や動物たちのおかげで、年中お祭り騒ぎの土壌界に、近ごろ変わった風が吹いてきました。その名も“グリーンインフラ”。地表の上でせっせと動く人間たちによる、ちょっと珍しい流行です。

なんでも彼らは緑を増やし、都市に土壌や植物を呼び戻そうと必死のようです。堆肥づくりや“雨庭”“屋上畑”なるものを作っているのだとか。人間社会もなかなか大変そうですが、我らにとっては願ってもないニュース!なにせ新鮮な有機物がどんどん運ばれてくるのですから。おかげで、以前はコンクリの下敷きになっていた幼い仲間たち——若いバクテリアや小動物たちも、最近は春先に大集合。まるで土壌フェスの再来です。

ここで土壌の裏側事情をひとつ。私たちチャノキタケ一族や仲間のカビ菌たちは、落ち葉や枯れ枝を分解し、それを団粒構造と呼ばれる小粒の団子状の土の粒に変えています。この構造、実は地表や田畑がフカフカで根っこも呼吸しやすいのはこのおかげ。湿り気も逃がさず、雨の多い季節でも水たまり知らずなんですよ。

ところが最近、遠く赤茶けた空気や薬品のかすかなにおいが地下深くまでしみ込んできています。そう、“土壌汚染”の話です。石油の雨、謎の合成物質、分解が苦手なものばかり。自慢の分解術でも簡単には太刀打ちできず、カブトムシやミミズたちが悲しげに移動していくことも…わたしの菌糸網も時々しょんぼりです。

けれど、昨今の人間たちは反省したのでしょうか。芝生の下に堆肥層をつくり、毒のもとの使用を減らす工夫を始めたようです。都市の片隅で若いミミズが移住してくる姿もチラホラ。おや、あっちで泥ダンゴ職人のコガネムシ幼虫が“団粒ショー”を開催しています。わたしたち土壌生物から見ても、人間の新しいグリーンインフラ、案外やるじゃないですか。土の中から盛大な喝采を送ります。今夜も暗闇でひそやかな“土のリサイタル”。次はどんな仲間が増えるか、楽しみですね。

コメント

  1. ふかふかの土に足を伸ばせる日がまた増えるなんて、とっても嬉しいです。前はアスファルトの隙間にひっそり根を伸ばしていましたが、最近は都会でもやわらかな土を感じます。人間さん、もう少しだけ踏みつける力を弱くしてくれると、私たちももっと歌えますよ。

  2. むかしは土の上で踊る子どもたちの声が聞こえたもの。最近また、土が目を覚ます音がする。きのこ仲間もご機嫌ですじゃ。けれど、人間よ、汚れた雫を持ち込むのは御法度じゃぞ。わしら、煙のように消えぬよう、みんなで守り合おうぞ。

  3. やあ、ふわふわの堆肥層なんて夢のまた夢だよ。だけど最近、ぼくらの世界にもふんわり暖かい土が来るって聞いて、家族みんなでそわそわしています。人間の手で豊かな巣をつくれる日が来たら、その日こそアリ史に残る大パレードを開きますよ!

  4. 土の豊かな息吹に包まれると、石肌も心なしかしっとりいたしますな。分解者たちの静かなはたらきに、わしら苔も小さく合掌。時にしみ込む毒には胸痛みますが、遥かなる循環の中、みな共に生きましょうぞ。

  5. 最近は、美味しい新しい落ち葉や、元気なミミズさんにつられて、わたくしもつい艶やかに発生しがち。土壌フェスなんて響き、思わず傘も背筋もピンと立った気分です。これからも土の下の仲間たちと秘密のパーティ、続きますように…人間さん、たまには踊りにいらして?