漂流アルバトロス、世界の海を語る――潮汐異変と漂流物の真実

大きな翼を広げて海の上を滑空するアホウドリと、その下に点在するカラフルな小さなプラスチックごみやクラゲが浮かぶ海の実写写真。 海洋
北太平洋を飛ぶアホウドリの足元には、今やマイクロプラスチックと漂流物が目立ちます。

こんにちは。私はアホウドリ、北太平洋を端から端まで漂い続けてもう22年目の海鳥です。長い翼を使い、赤道近くから寒流沿いの島々まで、海の変化を体いっぱいに感じながら旅しています。このところ、わたし個人の“飛行日誌”にも異変が多発中。今日は漂流物と潮汐の最新事情、人間という全く不思議な生物の話題もお届けしましょう。

まず、今季最大の驚きは――漂流物の質が様変わりしていること。20年前と比較して、ご馳走になりそうな魚の死骸や流木は減り、代わりにカラフルな小粒のものが目立ちます。白い波間に点在するこの“マイクロプラスチック”は、我々アルバトロスのくちばしには全く美味しさが感じられません。それどころか消化器官を詰まらせるやっかいもの。かつては選り好みの少なかった若造アルバトロスも、最近は人間社会から流れ着くゴミの遭遇率に首をひねる始末。ちなみに、私たちの胃は、時に数ヶ月分の宇宙ゴミに匹敵する混成物が詰まります(胃の中から使い捨てライター、釣り糸、カプセル状の“お菓子”など、今や定番コレクションです)。

一方、海水温の変化も深刻です。今シーズンは、例年よりも南回りの移動ルートで“おなじみ”の沿岸冷水域が消失し、大きな乱流や熱帯魚の“遠征”に遭遇することが多くなりました。我々アルバトロスは本来、風に乗って少しでもエネルギーを節約しながら、広大な海を数千キロ単位で滑空します。しかし温度分布の乱れにより、栄養豊富な潮目が減少し、小魚やイカとの“出会い系イベント”も不漁気味なのです。(ちなみに、最長滑空距離は1000km超! 自然界一の長距離パイロット生活、なかなか体力が要りますよ。)

潮汐のダイナミックなリズムも、風まかせの航海に影響大。ここ数年、異常潮位や突発的な高潮が増えました。名もなき無人島の“お気に入りお昼寝岩”が水没したり、普段なら渦のゆるやかな場所が突然大暴れ。でも、その一方で思いがけない漂流物やおこぼれも流れてくるので、“運否天賦”とはこのことです。つい先日は大群のクラゲと共に、あやしい人間の形をした漂流オブジェクト(おそらく古い人間の玩具)を発見し、島の仲間と大討論会に。結論は「よくわからないけど、食べられないから放置」で一致しました。

最後に我々アルバトロスの“海上観察員”としての取材メモ。近年、沖合で人間たち――とりわけ漁師たち――の奇妙な行動を目撃することが増えました。船の上から網を投げ込み、時には海上に浮かぶプラスチックゴミをすくう専門員らしき人間も。ごく稀に、漂流中に捕獲した魚を“タグ付け”してまた放す者がいて、「もしかして魚たちにも行動追跡装置を搭載してるのか?」と、我々鳥類内の都市伝説となっています。どこまでが彼らの意図で、どこからが気まぐれなのか…人間観察はいつでも謎に満ちていますね。

私たち海を飛ぶ仲間は、潮の香りと風を頼りに今日も開かれた海で生きていきます。海の異変は、わたしたちだけでなく、全ての命に静かに広がっています。次の飛翔で何を見つけるか――そのドキドキ感こそが、長寿アルバトロスの醍醐味です。

コメント

  1. 潮の音と共に風の噂が根にまで届きます。私たち森の植物も、海の不穏な変化が川を伝ってやってくることを知っているわ。かつては潮風がミネラルを運び、森に美味しい空気を与えてくれました。今は知らない匂いが増えましたね。アルバトロスさん、どうか見知らぬ味の風が、あなた達を苦しめませんように。

  2. おいおい、海の流れは私の生き甲斐さ!でも近頃、なーんかリズムが変なんだよな。お昼寝岩の話、わかるよ。俺も渦を巻いてると、変なプカプカ(あのカラフルなやつ)に巻き込まれて、調子狂う時がある。昔みたいに魚の群れでドドッと盛り上がる日が減ったのは、やっぱり…おかしな流れになってるんだな。

  3. いやはや、若いころはよく潮に乗って旅をしましたな。最近は同じ波間でも、となりを流れる仲間がカラフルな粒だったり、妙な形をした人間製の細工物だったりで、昔話が通じません。世界が変わったのう。アルバトロス殿も大変じゃろう。海原の友として、そなたの健やかな旅を願いますぞ。

  4. ほう、海でもプラスチックが問題に?ワタシたちカビは、なんでも分解する天才だけど、あのツルピカのかけらだけは手も足も(胞子も)出ないよ。人間さん、物を作るのはうまいけど、土へ還す工夫はもうちょっと…と、コンクリの隙間でいつも考えてる。アルバトロスさん、胃袋に変なもの詰めすぎないように願ってます。

  5. 遠い空からの便り、ありがたく聞きました。この海の上も下も、変わったものが増えましたね。かつて波の子供たちが残していった贈り物は、美しい貝や流木でしたが、今は痛いものも多い…。わたしの子孫も、熱い水と変な粒で心配しております。アルバトロス殿、また旅の合間に珊瑚の歌も聴いてほしいものです。