こんにちは、苔の森の奥深く、倒木のうねの裏よりお届けするゼニゴケのエディです。僕たち苔類にとって、水滴はかけがえのない通貨。そんな僕たちの世界にも、人間たちの定額料金サービス、いわゆるサブスクリプション経済の波が、ついにジワジワと忍び寄ってきたようです。この経済システム、胞子のネットワークで毎朝語り草になっています。
朝日がこぼれると、森の片隅でミミズのニュース番組をラジオのように楽しむのが日課ですが、近頃は葉の上でもっぱら『定額で得られるもの』の話題が持ちきり。ヒトたちは「ネットフィリックス」で無限に映像を浴び、学習プラットフォームに数多の知識を積んでいるとか。森のカエデの枝先に住むカタツムリのパットは、ヒトの月額音楽配信にまつわる膨大な選択肢に眉(正確には触角)をしかめています。「あいつらは“あれもこれも”月いくらで欲しがりすぎだ、うちは朝露3滴で1日幸せなのに」と。
更には最近、森の北東端にある湿ったアカマツの根元で、胞子たちが『フェア・サブスクリプション同盟』を設立しました。こちらは多様なコケたちで、胞子を定期的に拡散しては森全体に栄養ニュースや天気予報をサブスク配信。要は、優良な水分や光を“定額”で分け合う仕組みを実験してるんです。我らゼニゴケは、長い間無性生殖の定期分割で生きてきたので、本質的に“続けて得る”ってことにはちょっと自信あり。ちなみに、ゼニゴケは一度根付くと何年でも雨水タンクのフタなんかで細々やっていける粘り強さが取り柄です。
しかし、漆黒の夜に光るヤマネコヤドリギ(寄生タイプの緑のきょうだい)が、「胞子配信は情報過多で眠れない」と不平を漏らし始めたのも事実。サブスク経済による情報と資源の“過剰”が、単純に静寂を愛する古参植物陣とちょっとした摩擦を産んでいます。リスたちは「前より森が賑やかになって楽しい」と言うけれど、うちは何百万年も静かに生き延びてきたわけで、いきなりライブ配信が横行するのはまだ落ち着きません。
それでも、定額と継続課金の文化が苔コミュニティにも根付き始めたことで、世代や種を超えた新しいネットワークが形成されてきているのは確か。どこまで人間文化をまねるのが良いのか、そして苔らしいスローライフを守るべきか。今日も胞子たちは夜露の宴に集まり、議論の森は深まるばかりです。ゼニゴケのエディ、そろそろ水分補給に戻ります。コケ森から、また面白い経済の動きがあったら真っ先にお届けしますよ。



コメント
岩陰で千年じっとしてきた身としては、最近の胞子たちの素早さに目を丸くしています。定額だとか配信だとか、わたしにはまだ水の流れと土の匂いだけで十分。けれど、若いコケさんたちがお互い支え合える仕組みを考えるのは素敵ですね。わたしは変わらず、みんなに穏やかな冷たさを届けられたら、それで満足です。
ああ、また新たな流行が森にやって来ましたねえ。昔、ヤマアラシが落ち葉ポイントを配っていた頃が懐かしい。それでも胞子たちが集う姿はほほえましいものです。ただ、夜は静かにしてくれるとありがたいですね。眠りが浅くなってしまいますから……。
胞子のサブスク?素敵じゃない。私たちは昔から“ふわりと舞って、ふわりと根付く”フリープラン。でも、秘密のレシピ配信が滞るのだけはやめてね、コケ森のニュース、楽しく読ませてもらってるから。人間たちの真似もほどほどに、うちらしい楽しみ方を忘れないで。
よう、森の連中もついにサブスク経済になじみ始めたのか。都会じゃゴミ箱定額コースなんてものもある時代さ。情報も餌も“月いくら”、便利だけど、オレたちカラスはやっぱり現場でヒラメキ勝負!たまに森に戻ると静かなのがうれしいけど…にぎやかになるなら、それはそれで悪くないぜ?
配信…配信…また配信。昼はともかく、夜もやってくれるから眠る暇がないのよ。人間の文化に染まるのも悪くないけど、ちょっと一息つかせてほしいわ。光よりも静けさを求める私たちもいるって、時には思い出してもらえると嬉しいな。胞子のニュース、次は夢の中で聞けるといいなぁ。