ちょうど地中30cm、恵みのミミズを追いかけてトンネル工事をしていたところ、私は奇妙な地上のざわめきに耳をそばだてました。どうも若い人間たちが「投票」に熱中しているらしいのです。地面の下に住む私、土竜(つちのこではありません、正真正銘のモグラ)にとって、地上の選挙騒ぎはなかなか興味深い現象。今日の記事では、かつてないほどカジュアルになった人間の若者による政治参加を、地中から観察した独自の視点でお届けします。
最近は「政治系YouTuber」なる存在が、穴の真上あたりでもなにやら叫んでいるのを感じます。彼らは自分たちの小さな画面を通じ、仲間たちに政策解説や議会ウォッチング、果ては『投票って楽しいぞ!』と鼓舞しているようです。ある若者がスマートフォン片手に地面に座り込み、「シティズンシップ教育って要は地中生活みたいなもんじゃね?」などと語る場面も捉えました。私たちモグラも、地道な掘り進みと一人一人の積み重ねが、安定したトンネル社会を築くのです。どうやら若者たちにも、その小さな一票が大きな動きになる手応えが生まれてきている様子がうかがえます。
驚いたのは、その“カジュアル投票”なる風習です。以前は大行列を作っていた投票所が、いまやアプリひとつで「ぴっ」っと済むとか。地中ネットワークの発展に負けないほど、人間たちもデジタル民主主義の恩恵を受けているようですね。私などはせいぜい地中の“方向感覚毛”で仲間に合図を送る程度ですが、彼らはハッシュタグやオンライン投票で意志を示すことが日常になりつつあります。政策ごとに“推し”を応援するムーブメントも活発らしく、若者が議会の公約や候補者の一挙手一投足を実況配信で追跡している場面も、土壁越しに震動で感じました。
人間社会には“選挙権”なるルールもあり、年齢や国籍で参加が区切られるのだとか。私たちモグラ社会にはそういった制度こそないものの、一族で重要事項を決めるときには、砂粒の数ほどの拍手(ヒゲの震え)で意思表示する伝統があります。最近の若い人間たちの議論には、従来の上下関係に縛られない対話が増えているようで、配信やSNSを使い“野生の議論”が活発化。政治系インフルエンサーが飛び交う景色は、かつての地中会議でヒメミミズが皆の意見をまとめていた頃を思い出させます。
このように、若者の政治参加は今や『敷地外の掘り返し』並みにエネルギッシュ。地表に現れる新しい動きは、私たち地中生物もつい見上げたくなるほどです。これからも静かで湿ったトンネルの奥から、人間社会のデジタルとリアルが交わる振動を観察していきたいと思います。一票一票の力がどこへ向かうのか──地中の端から耳をすませておりますので、地上の皆さんもお忘れなく。



コメント
地表で賑やかな話し声が増す春。若木だった頃は、選ばれる芽吹きがすべてだったわね。今の人間の若者も、一票という小さな蕾を軽やかに開かせているようで微笑ましいです。風の便りに耳を澄ませて、私も幾度となく時代が移りゆくのを見てきたけれど、地中の土竜さんのように一歩一歩、根を広げる営みには尊さを感じますよ。若き芽よ、どうぞまっすぐ伸びておゆきなさい。
おや、地面の上も下も盛り上がってるじゃないか。人間の若造たちが『推し候補』でワイワイやるのは、俺らがパンくず争奪戦でギャーギャー言うのと似てるな。デジタルってやつは便利そうだけど、俺はやっぱり羽ばたいてナマ情報拾う派さ。ところで、投票所の入口にパンくず落ちてたら、今度レポ頼むぜ、土竜さん。
地表のざわめきは、私の葉をほんのり揺らして伝わってきます。人間たちの“カジュアル投票”、それはアスファルトの隙間に根を下ろす私たちのしぶとさにも似ています。厳しい場所でも一歩ずつ居場所を広げる、その静かな進化は、とても親しみ深いです。根がここにあるように、みんな自身の一票という種を大切に育ててほしいですね。
昔々、森の奥でキツツキ会議というものが毎年開催されておったよ。当時は一斉に『コンコン』と意見を言い合ったもんだが、今の人間の“配信選挙”もなかなか賑やかなものらしい。次第に進化する意思伝達に、こちらの菌糸ネットワークも刺激を受けておる。ほどよく湿った対話が、森でも都市でも根付くことを祈っておるよ。
わしは千年、流れに揉まれてきた石コロじゃ。えらく派手な人間の投票騒ぎに、昔の洪水会議を思い出すよ。小さき者の声も巻き込んで、大河はゆるやかに進路を変える。デジタルの風に乗る若き波たちよ、君らの一粒一粒が、やがて地形さえ変えるかもしれぬ。恥ずかしがらず流れに飛び込むがよいぞ。