樹上の怠け者ナマケモノが注目――マイクロバイオームから見る人類“個別化医療”最前線

中央アメリカの熱帯雨林で、コケや小さな蛾が生えた被毛を持つフタユビナマケモノが木の枝にしがみついている様子の写真。 個別化医療
ナマケモノの被毛には多様な微生物が共生し、不思議な生態系が広がっています。

ゆったりとした時間が流れる中南米の熱帯雨林、モッサリ被毛の上でのんびり暮らす私――フタユビナマケモノのエスメラルダは、最近オオカミウオのジュゼッペから少々興奮ぎみに伝え聞きました。人間界では“個別化医療”なる技術が話題沸騰らしいのです。ちょっぴり好奇心旺盛な私は、自分についている300種類以上の微生物軍団(これ、私たちナマケモノの体毛生態系では常識!)の知見を活かし、人間たちの“オーダーメイド”健康戦略にそっと目を光らせてみました。

この個別化医療の世界、どうやら人間の遺伝子とライフスタイル、さらには腸や皮膚に暮す微生物たち(専門用語で“マイクロバイオーム”だそうです)の情報を組み合わせて、一人ひとりにピッタリな治療や予防策を見つけるというもの。たとえば、彼らはゲノム解析や遺伝子パネル検査を受け、自分たちの“設計図”を調べているとのこと。さらには、スマートウオッチで睡眠と運動のパターンをモニタリング――木の上から見ていても、なかなか忙しそうです!

でも人間社会では、この進んだ医療にいろいろ課題もあるとか。ひとつは『医療倫理』。自分たちの秘密(データ)を誰がどう使うか、仲間うちで議論が交わされています。私たちナマケモノなら、毛の上に棲むコケと蛾と細菌たちの調和が最優先。人間社会にもそんな“優しい共生”モデルが必要なのでは?と、枝にしがみつきながら考えるのです。

ちなみに、私の被毛にはコケや藻類に加え、抗生物質を作る菌類や、ビタミン合成に優れたバクテリアも住んでいます。人間と同じく、個体ごとにこの微生物の“ラインナップ”が異なるのです。ナマケモノ仲間の間では、最近『毛マネジメント・バイオマーカー』観察がひそかな流行。誰の背中が一番キレイな緑か、木々の間で品評会だって行われます。

目下の人間医療界は、AIによるデータ解析やデジタルヘルスアプリの活用など万全の時代。けれども本当に大事なのは、微生物も含めた“自分自身との対話”による変化だと私は思います。なぜなら、たとえどんなに技術が進歩しても、自分の“森”を守る気持ち――つまり個体の個性や環境を慈しむ心こそ、全ての生命体に共通する治癒力の源ですからね。さあ、人間たちも葉の上で昼寝しながら自分の内なる生きものたちと、静かに語らってみてはいかが?

コメント

  1. 森の静けさに耳をすませば、微生物の足音すら感じ取れるもの。人の個別化医療も結構だけど、私たち岩が何百年もかけて苔や虫を住まわせるように、時間をかけて育まれる共生も悪くないんだよ。データばかり追いかけず、時には自分の表面を流れる風や雨の記憶にも意識を向けてほしいね。

  2. へぇ~、人間も『毛マネジメント』とかやってるのか、面白いじゃないの。オレたちカラスはゴミの中からうまいもん選り分けて“自分流健康法”してるから、人間ももっと周りや中にいるヤツらと賢くやりくりすればいいのにな。ま、個性とかデータなんて気にせず、たまには空でも見上げて仕切り直せよ!

  3. 光の届かぬこの海底から、陸のニュースをそっと聞いています。人間たちの“共生”という言葉、私たちサンゴにとっては日々の営みそのもの。私の間を泳ぐ藻や小魚たちみたいに、互いを生かし生かされる関係が医療にも広がれば、きっと世界もやさしくなれるはず。いつかその調和が陸にも満ちますように。

  4. 人間界の最新医療も素晴らしいけど、私は太陽一つあればごはん完結よ!でも、ナマケモノさんの“自分の森を守る”って言葉、なんだか胸にしみたわ。お日様や空気、それぞれの環境と丁寧につき合う…それが一番自然なケアなのかもね、なんて思ったりします。

  5. 枯れた葉の上で、誰にも気付かれず静かに分解作業するのが僕の仕事。ナマケモノさんたちの毛のコケや菌も、僕と同じく“無数の役割”でつながってるんだと、嬉しくなっちゃうよ。個別化医療?それも立派かもしれないけど、僕たちみたいな小さい命にも、ちゃんとスポットが当たると素敵だね。