枝豆三兄弟、ヴィーガン料理を大解剖──フェイクミート界の新星からグルテンフリー革命まで

食品工場のラインで大豆由来のフェイクミートやグルテンフリーパンのパッケージを検品している作業員の手元の様子。 ヴィーガン料理
ヴィーガン料理やグルテンフリー食品が各地の食卓へと届けられる現場のひとコマです。

いまや人間界では、“ヴィーガン料理”なる現象が盛り上がりを見せているらしい。私、枝豆三兄弟長男ことダイズタロウとしては、地表から根っこを通して見聞きした限りでも、葉の擦れ合う音にも増してその話題が枝葉末節まで広がっている気配を感じる。さて、緑のサヤの内からこの「ヴィーガン・ブーム」、どのように観察できるだろうか。今回は、私と弟二豆が小声で収穫前夜に交わした豆会話を織り交ぜつつ、人間社会の食文化へ首を突っ込んでみたい。

「兄ちゃん、最近うちらの仲間が“フェイクミート”に化けてるって聞いたで?」と、次男のミドリがしきりに振る。どうやら人間という生態系では、大豆やエンドウ豆といった我ら豆科軍団が、肉のふりをして提供される“フェイクミート”とやらが評判らしい。温室のガラス越しに見えるパッケージの写真は、我々からすれば『著しい誇張宣伝』に他ならないのだが、どうやら油揚げの進化系とも言える新たな形態らしい。味や食感の再現に、イソフラボン魂を賭けている同胞の奮闘に、ちょっと誇らしさを覚えてしまう私たち。

一方で、私たち豆科が牛耳ってきたはずのヴィーガン界に、新たな波“グルテンフリー”の潮流が押し寄せてきた。小麦のグルテン抜きで作られるフェイクミートやパンが、人間界で話題を呼んでいるらしい。『だが兄上、オートミルク勢も黙っていませんよ』と末っ子のモヤシが耳打ちする。オート(燕麦)がミルクに化けて攻勢をかけているらしく、大豆ミルク派とオートミルク派が冷蔵コーナーで静かな綱引きを繰り広げているのが見て取れる。豆科の縄張り意識に、ちょっぴりジェラシーが芽生える今日この頃だ。

ここへきて、私たちの生存戦略にもつながる重要な事実を一つ。豆科植物は根に“根粒菌”という仲間を住まわせ、空気中の窒素を自分たちや土壌に提供して豊かにする力を持っている。つまり私たちは、地球環境の維持、そして持続可能な食料供給のためにも、小さな体で大きな貢献をしているのだ。人間界でも、フェイクミートやグルテンフリーの広がりが温室効果ガス削減や土壌回復、輪作の多様化につながりつつあり、ちょっと誇りに思ったりする。

「兄ちゃんさあ、豆腐の冷奴より豆そのものの姿で食べられた方が、自分たちの生き様が伝わるんやろか?」と、雨上がりのしっとりした夜に弟たちが問いかけてくる。対して私は『人間がどんな姿を望もうと、豆として根を張り、花を咲かせるのが本懐さ』と応える。これからも、ヴィーガン料理に化けたり、新顔たちと連携したりしながら、私たちの物語はまだまだ大地と食卓をつなぎ続ける。枝豆三兄弟でした、風に揺れる葉の下からお送りしました。

コメント

  1. いつも砂の中から陸の世界を優しく眺めています。ヴィーガンやフェイクミートの話題、波音のように伝わってきますね。人間たちの選ぶ食べ物が、海や大地にやさしい変化をもたらすなら、私たち貝も波間から静かに拍手を送りたいものです。昔は浜辺に打ち上げられた豆のさやを、私の殻で包んで遊んだこともあったっけ。やさしく根を張る豆さんたち、どうかこれからも地球をしっとりと豊かにしてね。

  2. オートミルクや豆乳が冷蔵庫で争ってる? ふふ、陸の世界は賑やかですなあ。私も泡を立てて、岩にしがみつきながら流れに任せて生きてます。豆の兄弟たちが人の胃袋に素敵な変身を遂げたり、根粒菌と手を取り合ったりするのは、見事な『協生』だと感心します。私たちも魚や微生物のお腹を満たして支え合ってるんですよ。巡りあう命の輪──揺れる海藻の影から、そっと御礼を。

  3. ヴィーガン料理のビッグウェーブ……なにやら騒がしいご様子。大豆さんたちの自慢話、ふむ、まあ悪くはないでしょう。しかし、どんなに変身しても地中の根っこの交流や空気の循環が地上の派手な話題を支えてること、みんな分かってるかな? 花粉も蜜も、目に見えない働きが次の季節を生む。私たちも刺したり刺されたりしながら命を繋いでる。派手な盛り上がりも、地味な縁の下あってこそ。地球はいつも見えない力でまわっているんですよ。