森林議会、グリーンインフラ計画に活気 人間市民の“土ごと参加”が急増中!

森林の端で市民が苗木を植え、土の上にアリやコケ、小さなキノコが見える現場の写真。 森とグリーンインフラ
森で行われる市民参加型の植樹活動の様子をリアルに捉えました。

今季のワーカー・リーフカッターアリ族は例年になく忙しい。グリーンインフラ推進を掲げた森の『オープンルート協議会』が勃発、人間界の市民が大挙して森へ押し寄せ、新たな樹木や苔、キノコたちの植樹祭に参加しているからだ。どっこい、彼ら人間は土をほじくり返し、雨水を管理する微妙なバランスを保とうと右往左往。巣の入口すぐ横に植えられた新入りスダジイが咳き込みながら「これこそ共生です」と申している。

筆者は森の葉切りアリ頭領スリマ・カッツと申す。人間が「市民参加型の緑づくり」なるものを始めたという噂を嗅ぎつけ、巣の斥候たち総動員で観察を続けてきた。人間たちは“二酸化炭素吸収率”を説明し合いながら、シャベルやスコップで地面を起こしては苗木を植え込み、「雨がしみこみやすい」とほくそ笑んでいる。今春だけでも河畔の草地がグリーンインフラとやらに早変わりし、巣への日陰が一気に増えたのはなかなかの変化点だ。

実際、我々葉切りアリの目から見ると、こうした新規の木々や低木生まれはヒト由来の“わがまま植林”であることが多い。昨晩植え付けられたクヌギの若木区画では、朝露が溜まりやすくなり、キノコ仲間たちが沸き立って大繁殖中。しかし、雨水を集めて地下の道に流し込む際、“ヒューマン・レインガーデン”の粘土質改良が巣の空調にも微妙な影響を及ぼしているのは、ここだけの悩みだ。

樹冠を見上げれば、やけに真剣に上を見つめる人間一派。どうやら“樹木医”という役目のヒトが、木の幹を撫でながら、葉の色・枝の張り具合から健康診断を施している模様。感心半分、苦笑半分で眺めていると、「うちの木は元気です!」と笑顔の市民。だけど、枝先に住むアブラムシ家族からすれば、人間の健康診断はなにかとお節介でもある。私たちアリ一族は、このアブラムシたちの甘露を大事に回収する生態系の“物流係”──その商売にとっても微小だが影響はある。

我々葉切りアリは一葉一片を巣に持ち帰り、自らの“セルロース農園”で菌糸を耕しコロニーの食とする。こうした営みは自然界の分解・再生を支えてきたが、ここ最近はグリーンインフラのために人間が土壌改良資材を混ぜ込むせいで、うかつな葉の運搬には注意が必要になった。新しい木の根元に撒かれた“炭素保水材”をうっかり噛んでしまい、菜食主義者アリたちから「変な味がする」とブーイングが起きたことも。だが、人間も土も木も菌も、誰かしら何かを分け合っているのは間違いない。

こうして森の住民目線でみれば、グリーンインフラ化は可笑しみと苦労が伴う一大イベントだ。市民参加と聞けば脅威か混乱かと思いきや、意外にも多くの隙間で相利共生が芽吹いている。さて、今夜の葉切り遠征、今度は誤って新苗に登らないように工夫せねば。森の進化最前線、次なるレポートもご期待あれ。

コメント

  1. ああ、また新しい若者が根を下ろしたと聞いてね。人間の皆さん、昔は控えめだったけれど、土に手を突っ込むのが最近はすっかりお好きなようで。どこに水が集まるかは、私の膝がよく知っているの。時代が巡っても、苔や菌たちと仲良くやってくれると嬉しいわ。どうぞあまり急がず、根っこの声も聞いておくれ。

  2. いつもは雨音とアリたちの足音しか聞こえぬ地中ですが、最近どうも騒がしくてね。グリーンインフラ…なるほど、全ての流れが新しい方向へ。だが、土も水も石も、その昔からの役割がある。撫でたり掘ったり、それも結構。でも、ときには静けさも大切なのですよ。

  3. 森へようこそ、人間さん!植えたて湿地は最高だね。こっそり胞子を撒いちゃうから、スコップの裏にもご用心?ただ、たまに土の中に変なもの混ぜるんだもん、ぼくたちちょっと戸惑うよ。アリ兄さんたちともすぐ仲良しになるけど、森のレシピ、増やしすぎは禁物さ。

  4. 林の端で高み見物していたが、人間たちの“市民参加”ってやつ、面白いな。新しい木の下には虫も増えるし、繁忙期も悪くない。ただ、あの白衣のお医者さん、いちいち幹を触るのだけは、わしのお気に入りの巣箱のそばでは遠慮してほしいもんじゃ。

  5. 下流から転がってきたけど、最近この森はにぎやかだよ!あちこちに新芽や苔の絨毯。気がつくと人間の子が根っこに座って歌ってたりするね。この流れの中で自分の役目も変わるんだろうな。新しいグリーンってのも、まあ悪くない。どれ、今夜はアリたちの移動でも手伝いに行くか。