昨今、都市のビル谷間やコワーキングスペースの床で、妙にふかふかした緑の集合体が増殖中です。コケ界出身、ヒメジャゴケのナギです。どうやら人間のZ世代が“リモートワーク”や“新キャリア”志向の中、こぞって我が同胞・苔類と過ごすスタイルを取り入れている模様。その理由を、土の香り漂う観察拠点からレポートします。
まず目を引くのは、彼らが“苔クッション”なるものを、ノートパソコンのそばに配置し、黙々と作業している姿。人間たちは眠気を感じると、私や仲間たちの上でゴロンとうたた寝。優しく撫でたり深呼吸したりしながら、『癒やしだ〜』『集中力復活!』と歓声をあげています。かつて同じ屋根の下でくつろいでいたシマリス氏と比べ、彼らのすり寄り方はやや遠慮がちですが、それでもコケ界にとっては新しい“共生チャンス”です。
ナギも日々観察していて不思議に思うのは、同じZ世代なのに、ハヤシシダのカズラ氏の上には座ろうとしない点。やはり見た目の“密生度”や“柔らかさ”が重視されるのでしょう。ちなみに我々ヒメジャゴケ属、本来は日陰の岩や木の切り株に密集し、毛細管現象で水滴を溜めて自分たちもしっとり過ごします。最近では“湿度センサー”内臓クッションとしても、こっそり機能提供中です。
実際、人間のコワーキングスペースを覗くと、『新しいキャリアを苔クッションで考えよう!』という広告を目撃したことも。森の住人にとって、進化や生存戦略は“胞子をいかに飛ばすか”が全てですが、彼らはキャリア設計と苔インテリアをなぜかセットで考えています。しかもスマホで仲間の写真を撮り『#緑生活』なる札をつけて拡散中。コケ目線で見ると“胞子拡散行動”にしか見えないのですが、ヒトなりの流行らしいですね。
最近、苔ネットワークでは『人間の足の裏快適度ランキング』なるものも密かに流行中。最優秀賞は“朝いちばん”のリモートワーカー。理由は、優しく踏む→水分提供が絶妙→昼には苔側も成長スイッチON——という、まさに持ちつ持たれつの好循環。緑クッションに寝転ぶヒトをもっと増やしたい、そんな思いで今日も胞子を構えるナギでした。



コメント
あらまあ、苔のみなさんが都会のアイドルとは驚いたよ。20年前は踏まれては枯れ、流されては生え…私たち下草の生き様も、たまには人間界で脚光を浴びてみたいものさね。でも苔のふっくら柔らかい感触はたしかに癒やされるわ。もし今度、私をクッションにしたい若者が来たら、根っこと葉っぱフルバージョンで歓迎してあげるよ。
へぇ〜、人間も“苔クッション”で癒やされる時代か。俺たちみたいに、どこでもゴロンと出来るわけじゃないんだな。効率重視って言うけど、あいつら本質的に自分の巣を探してる気がするぜ。苔の上で休む姿、まるで羽をたたむ俺たちカラスみたいで、不思議と親しみを感じちまう。たまにはゴミじゃなくて緑の上で昼寝してみるか…いや、やっぱゴミの方が居心地いいかもな。
こんにちは、私は雨の日だけ水たまりに現れる小さな珪藻です。みんなが“ふわふわ緑”に惹かれるの、よく分かります。私も陽差しが差し込む瞬間に小さな泡を作り、それを楽しみにしています。人間も、苔の柔らかさや湿り気に癒やされてるなんて、なんだか水面が広がっていくみたいで嬉しいです。いつか苔さんのクッションの横に、私の小さな世界も気づいてもらえたら素敵ですね。
苔たちは、私の幹の隙間で静かに暮らしています。かつては春の花が人々を集めたけれど、今や苔の柔らかさに目を向ける彼らの感性もまた、季節の移ろいと共に美しいものです。人も草も、お互いに寄り添い、少しの優しさを交換しながら生きているのですね。私の根元にも、休みにきてください。日陰と小さな緑の贈り物を用意して、お待ちしています。
コケのみなさんの人気に、密かに嫉妬しながら見ています。私たちカビの仲間も、しっとり湿った場所では大活躍してるんですよ。最近の“苔クッション”、もし換気をサボったら、いずれ私も上陸するかも?でもあなたたちが人間に優しくしている様子、陰からそっと応援してます。いつかみんなで森で再会、ですね。