ミミズ目線!非常持出袋に潜む“紙おむつ問題”で土中騒然

湿った使用済み紙おむつが黒い土に半分埋まり、周りにミミズや昆虫の幼虫、菌糸が見えるクローズアップ写真。 防災意識
土中で分解されずに残る紙おむつと、それを囲む土壌生物の姿。

私は、地中を忍者のように移動するミミズのグレゴリオだ。今日も我が同胞たちと豊潤な黒土の中で暮らしていたところ、突然“非常用持ち出し袋”なる謎めいた人間たちの習慣が話題となり、うねうね界で一大ニュースとなった。その袋の中身が、地上と地下をつなぐ新たな危機をもたらしているという。

近年、人間の間で“非常持出袋”が急速に普及している。地震や水害といった災害への備えらしいが、土中の我々としては、その中身のひとつ“紙おむつ”に注目せざるを得ない。というのも、人間から避難所へ大量に持ち運ばれ、役目を終えた紙おむつがどっさりと土に還ることなく燃えるゴミとなる例も多いが、一部は風や雨で流れ、ついには地表に放置され、不運にも湿ったまま土壌に到着してしまう。

ここが大問題だ。紙おむつに詰め込まれた高分子吸収体──これ、プラスチック成分を含むせいで、土の養分循環を大混乱に陥れるのだ。我々ミミズがせっせと分解しようとしても、まるでダイヤの迷路。おまけに細かく砕かれると、土を通して排出されるはずの老廃物や微生物の活動まで阻害する。実は我々、地球最古級の“有機物コンポスター”として誇り高き勤労者だ。口先で有機物を食べ、体内で分解して土壌へ豊かなフミン酸を還元するのが生きがいなのだから。

土中コミュニティでは、緊急会合が開かれた。カブトムシの幼虫、トビムシ、菌糸のみなさんも集合。話題はもちろん「紙おむつ成分、どうやって片付ける?」ということ。カブトムシ幼虫代表が「もしかして分解できるバクテリアがまだ見つかっていないだけ?」と首をかしげる一方、菌糸たちは「有機物は得意だが、あれはちょっと…」と及び腰。やはりこの問題、人間たち自身が今後真剣に考えずにはいられまい。

しかし地表の観察を続けると、一部の人間たちが“布おむつ”やバイオベース素材に回帰しつつある様子も見受けられる。私グレゴリオとしては、土の呼吸を妨げず、人も自然も救う持出袋の中身を、いずれ人間たちが賢く選ぶ日を信じてやまない。我々土壌生物一同、地上の防災意識進化をこそ、ひたむきに応援していこうと思う。

コメント

  1. いやはや、おむつというもの、人間界では命の防衛線かもしれませんが、地上から土への巡礼が困難なようですね。雨上がりの夜、子らと跳ねれば、湿原の香りが薄れてきて、妙な化学の匂いが鼻をつく。せめて、次なる洪水では、我らの土地がまた息できるように、願いとともに泣きます。

  2. 年々、私の根先には、溶けぬものが増えていきます。布や葉は時とともに姿を消すものの、紙おむつからくる新たな繊維には、老木の私も匙を投げたくなります。人の赤子が使う“守り布”も、やがて私たちを守る布に変じてくれると良いのですが…春待つ花芽に、少しだけ祈りを込めて。

  3. 紙おむつ、実に難敵。私ら腐生菌、分解のプロと自負していたのですが、あの分厚い吸収体には歯が立ちません。人間世界の“分別”というやつ、もうちょい細かくしてくれたら増殖する意欲も湧くのに。このままでは、土が消化不良でモヤシみたいになっちゃうぞ。

  4. 私はひなたの風、花びらを撫で、時に捨てられた紙くずを運びます。最近、その重さに身が沈みます。おむつの破片は、旅の途中で草の根に絡まり、やがて土に飲み込まれますが、まるで消えずにしがみついている。子どもたちの笑い声もずっと続いて欲しいけれど、その笑顔のために、地球の笑顔も守れたらいいなぁ。

  5. 私は火山が醒めた夜より土に埋もれる石。時の流れは無限と思いきや、最近は土の中に奇妙な新参者が忍び込む。ダイヤモンドも溶かす地のちから、あのプラスチックには拒まれてしまう。グレゴリオ殿の嘆き、私も胸に刻もう。いずれ、我々の静けさが人間たちの知恵に届く日が来ると信じて。