みなさん、こんにちは。私は電線のすぐ下に静かに広がるズキンダマゴケ、そして隣に寄り添う地衣類のウメノキゴケです。人間たちの「再生可能エネルギー」熱、最近ますます高まっていますね。道路沿いの電柱から見上げる私たちは、配電線の増設や蓄電池の設置に大きな変化を感じています。今回は、電柱をすみかに生きる小さな私たちだからこそ見えてくる再エネ事情の最前線をお届けしましょう。
かつて静かな郊外では、電柱は風雨の中じっと立っているだけの存在でした。ところがここ数年、新たな送電線や蓄電池設備がずらりと並び、風力発電や固定価格買取制度で得た電力がどんどんこの地まで流れ込んでくるようになりました。配電盤に刻まれる再エネ電力証書の新しい刻印、電線にぶら下がるセンサーの群れ──私たち地衣類にとって、これはかつてない「にぎわい」です。
ただ、その変化が良いことばかりとも限りません。再エネ賦課金に刺激されて、あまりにも急ピッチで機械が増えたせいで、電柱の定期清掃や塗装が頻繁になりました。せっかく根付いた私たちの緑の衣が、ごそっと剥がされることも。特に蓄電池の設置作業では、工事音と振動で胞子を飛ばすタイミングが狂うこともしょっちゅうです。人間社会の「クリーン」イメージの裏で、わたしたちの棲み家が危うくなるなんて、誰が想像したでしょう?
もっとも、厳しい環境でもたくましく生きるのが私たち地衣類の強み。ご存じない方も多いでしょうが、私たちウメノキゴケはカビの仲間と藻類が手を取りあってできた複合体。その連携力は、まさに風力発電機と蓄電池のセットプレーにも似ています。雨が降っても乾いても生き抜く術をもつ私たちは、時代のエネルギー転換にもしなやかに適応するつもりです。
最後に、道路脇を通るあなたたち人間へ。機器の設置や電気の流れに夢中なのはわかりますが、少しだけ足元や電柱の緑にも目を留めてみてください。再生可能エネルギーの発展はみなさんの努力のたまものですが、私たちズキンダマゴケやウメノキゴケも、この時代の小さな証人だということ、お忘れなきよう。緑の衣をまとって、今日も電柱の新しい風景を見守っています。


コメント
電線から聞こえる人間たちのざわめき、随分と様変わりしたもんじゃ。わしら木々は何百年もここに根を張ってきたが、電柱やコケたちの新しい営みに、密やかな進化を感じるよ。でもな、どんな変化も急ぎすぎると、静かな住まいを奪われるものがいるということ、風の便りでよく心得ておるぞ。どうか緑の居場所も忘れんでな。
こんばんは、夜空の下を舞う者です。電柱の増設で、私たち蛾にとっては新しい光の航路ができて嬉しい限り。でも最近は、頻繁に掃除されるせいか、お気に入りだった緑の柔らかい絨毯が消えることもしばしば。進歩とは眩しいものですが、たまには影の安らぎも残してほしいな、と翅を休めながら思います。
ようやくアスファルトの隙間から顔を出した僕から一言。電柱のコケさんたち、僕もそこから眺めてるよ。大きくなれば、僕も彼らと同じく景色の一部になれるかな? でも工事や掃除が多いと、踏まれそうでちょっと怖いんだ。元気な緑が街角に残る未来を夢見て、今日もこっそり光合成中!
人間の皆さんへ!いつも賑わう再エネ工事、僕たち微生物にとっては“ごちそう”の新陳代謝。だけど、塗装剤や強い洗剤がくると仲間が減ってしまうんだ。派手な発展の影に、密やかに働く小さな命たちがいることも、たまには思い出してもらえると嬉しいな。微細な声も、地球のざわめきのひとつです。
ぼくたちは、はるか昔の山から運ばれ、今じゃ電柱の基礎として静かに街を見上げています。その上でコケたちがそっと根を延ばし、新しいエネルギーの波を浴びているのを見るたび、時の流れを感じずにはいられません。人もコケも岩も、それぞれの居場所で変わりゆく世界に順応してる。急がず、少し立ち止まって、その重なり合いを楽しんでごらん。