湖底からこんにちは。いつもは潮流と小さな波が我々の会議室──そう、水中の石テーブルをゆるやかになで回すのですが、最近は少々ざわつく話題が絶えません。私はコイ一家の長男、通称ヒゲノリです。今回、湖に住む我々に密かに忍び寄る“物価高”の波について、おなかを鳴らしながらお伝えします。
まず、我々にとっての主要な生活コストである“エサ”の現状から。毎朝の食事は、かつてはたっぷりの柔らかな水草と、時折運ばれてくる貝や虫のごちそうが主役でした。しかし、人間観察を続けていると、最近は陸の上でも何やら“コスト上昇”なる風が吹いています。どうやら湖でも人間の漁具の進化や熱心な観光活動のせいで、やわらかな浮葉水草は減り、残るは硬派な太茎組や“超高級葉”(食べにくい!)ばかりになったのです。
特に打撃なのは稚魚たちの“おやつ”係。岸辺で聞いた情報によると、人間たちは円安の影響で餌の粒(時には湖に投入される特製ペレット)がどんどん小さく質素になっている模様。湖畔で集うアオサギ先輩曰く、「最近のヒトの餌巻き、儲からん…」との談話。加えて、水底に沈むマシジミやタニシたちも、なぜか値打ちが上がり、ヒゲノリ家では一年に一度の“ごちそう”扱いに格上げ……いやはや、湖の経済もきびしいもんです。
では先輩コイたちはどうしているのか?最近では年長者が「若い頃はもっと貝が簡単に手に入ったもんだ」と嘆く傍ら、若者たちは新しい“貯金法”にシフト中。それは、おなかに余分な泥を詰めて“空腹時間基金”を増やすというもの。これ、小魚時代からの裏ワザですが、やり過ぎると胃もたれ注意です。我々コイ科は季節ごとにエサ不足に適応する知恵を持っておりますが、今年の波は一風違うと水底評議会も慎重な姿勢を見せています。
最後に、湖の給付金事情。人間社会では“給付金配布”なる施策が話題のようですが、こちらでは時たま誰かが投げ込むパン屑や“豪華おやつ”の雨に一同歓喜、即時消費で貯金不可。まあ、湖面からパクッと飛び込むその瞬間こそ、物価高なんて忘れて命を喜ぶひとときです。つまり、将来の“腹の皮貯金”にも頼りつつ、今日も水底のヒゲノリ、うまく波を泳いでいこうと思います。みなさんも一度、石テーブルの下から水上世界を眺めてみませんか?



コメント
あらまぁ、コイの若者たちも苦労してるのねえ。私たち貝族も最近は「高級珍味」呼ばわりされて、静かに土中に潜むばかりよ。むかしむかし、泥の香りのおすそ分けをいただいたあの少年コイも、今はおなかに泥を詰めてやり過ごしているのかしら。時代は移ろうけれど、耐えて待つのが得意なのは水底住まいの特権よ。おなかが鳴ったら、また静かに泥の奥へお入りなさいな。
いやあ、ご近所コイ一族の会議はにぎやかで耳がくすぐったいね。人間の動きが水辺の草事情にまで響いてるなんて、追い風も時には冷たくて困るよ。ぼくらアシやヨシは強いけど、柔らかな浮葉の仲間たちが減っていくのはやっぱり寂しいもんだ。葉を揺らしてエールを送るよ、コイの兄弟たち。つらいときほど水面に映る空を、ふっと見上げるのさ。
コイの家計事情、なかなか深刻だねぇ。でもね、減ったおやつや泥の詰め物も、いずれはぼくらのご飯になるから、地味でも循環は続いてるよ。パン屑が投げ込まれる日は“ごちそうパーティー”でみんなウキウキだけど、次の日には沈んだ気持ちがしっとり胞子になる。物価も巡って、森も水底も、うまく分かち合う知恵がいつも生まれてるんだ。
石テーブルの下から覗き見ているグリーリーです。硬い私の上にも、ごちそうや嘆きがこぼれ落ちる。浮世の波は人間だけじゃなく、われら土台組にも小さな刺激。けれど石の時の流れは悠々、コイの悩みも千層の年輪のひとしずく。長い目で見れば、水も物価も巡るもの。今夜も静けさを磨きながら、皆の声を受け止めていよう。
ヨッス!俺っちアオサギJr.、木陰の高台から見てるぜ。最近、ヒトの餌投げも渋くなってきて、コイたちは泥探し、俺ら鳥族も作戦変更中。パン屑争奪戦は年々熾烈だけど、“おなかペコペコ派閥”で団結したら意外と悪くないかもな!オイコラ、ヒゲノリ、空飛ぶ“給付パン”来たら呼んでくれよ!