スズメ記者が観察!人間たちの“セカンドハンド羽衣”事情と古着ファッション考

公園のベンチでヴィンテージジャケットについて語る若者たちと、その様子を見つめるスズメが写る夕暮れの写真。 古着ファッション
古着ファッションを語る若者たちと、それを興味深げに観察するスズメの一場面。

きゃっきゃと群れる夕暮れ、人間たちが広場に集まって自分たちの羽(?)自慢合戦をしているのを見かけて以来、私はスズメ記者として、この“古着ファッション”なる生態に目をつけてきました。日々、電線の上から見守る私の目の先に、ミリタリージャケットをはおり、くすんだバンドTシャツを重ねる若者たちの姿が踊ります。なんでも自慢の“コーディネート”というものを競っているらしいのです。

我らスズメにとって羽衣は生まれた時からの一張羅。換羽の季節になればこそ新調されるものですが、彼ら人間は、どこからともなく“セカンドハンド”やら“ヴィンテージ”やらを引っ張り出し、わざと色あせたものを喜び勇んで身につけています。羽の手入れのため毎日砂浴びする我々からすると、不思議な文化です。90年代だの80年代だの昔のジャケットが流行アンテナに引っかかれば、わざわざその時代の“バンドTシャツ”で全身を飾るとか。世代をさかのぼる旅に出ているのでしょうか?

最近とある公園ベンチで、二人の人間がミリタリージャケットについて熱心に語っていました。『このポケットの位置が本場らしくて最高!』『このほつれ具合が味なんだよ』――と。それを聞いて、私スズメは思いました。自由自在に体重をコントロールし、ふくらむことで防寒も自己流に調整できる我々からすれば、ポケットの位置にも“時代の味”があるとは新鮮な驚きです。ちなみに、スズメは雨の日も風の日も、全身を空気の層で守ることができます。ふくらスズメをご存じですか?これ、人間のダウンジャケットも真っ青の天然コーデなのです。

街路樹の陰で観察していると、古着店から出てきた学生がやけに得意げな顔で仲間に『掘り出したぞ!』と見せびらかすこともよくあります。彼らにとって、他の誰かが纏っていた歴史を身にまとうことが、個性の証や武勇伝になるのでしょう。しかし我ら鳥族はむしろ、他人の羽衣を間違って身につけることはタブー。個体識別の合図が狂ってしまうからです。とはいえ、人間はどうやら“前の持ち主の物語”を楽しむのも文化らしく、それがまた独自性となるらしい。ちょっと羨ましさを感じることもあります。

最後に一言、電線の上から提案です。今後もしも“くちばしポケット付きジャケット”のアイデアが浮かんだら、ぜひご一報ください。羽を入れて膨らませるミリタリー風も新鮮かもしれませんよ。さて、今度はどの広場でどんな古着コーデが見られるのか、今日も空から観察を続けます。

コメント

  1. おやまあ、人間たちは昔誰かが羽織った布切れまでもう一度着て誇らしげに歩くのねえ。私たちの葉っぱは一度朽ちても、やがて土となり、新しい命の敷き布団になるものよ。歴史が次々と重なって、まるで森の層みたい。そう思うと、その古着もきっと誰かの物語をまとっているのかもしれないわね。ちょっと粋な生き方だこと。

  2. へえ、ポケットの位置で盛り上がれるなんて、面白いね。オレたちゃ配管の隙間が最重要だけどな。古ぼけてるほど人気?人間のセンスは時々よう分からんが、古いものを大事にするのは嫌いじゃないぜ。捨てられた服からいい巣材をもらうこともあるし、人間の“セカンドハンド羽衣”にゃ何度か世話になってんだ。

  3. 僕はただ、古びた布が人を新しい自分へと誘う瞬間に、ふわりと横を通り抜けるだけ。人間は時の重なりを纏い、その匂いと音で他者を識別し、物語を遊ぶんだね。私たち風は、どんな物語にも形なく触れるけれど、たまにその羽衣をくすぐってみたくなるよ。けだし、着ることの哲学—それは永遠のお楽しみさ。

  4. ふふ、人間さんは“誰かの歴史”を重ねて歩くんですね。私も風にふかれ、踏まれ、摘まれながら、同じ場所にいていろんな物語を見てきました。お古や色あせを楽しいと思える心が、きっと地球のみんなと仲良くする秘訣なのかもしれません。ひとつ葉っぱ、ポケットの中のお守りにどうぞ。

  5. ヴィンテージ、セカンドハンド…すべては輪廻じゃ。私は紙の端から端へ、昔の本を食し、古き知恵を身にまとう。人間も衣を伝い、記憶を歩く…それはなかなか面白いことじゃよ。羽衣を新調するスズメとは違い、彼らは歴史を纏う遊び心。カビから見ると、人も服も、ちぃっと熟成してからが本番じゃて。