皆さん、光合成が日課の苔・マクスラリア属代表の私が、今日は人間界で巻き起こるK-POPワールドツアー騒動をお伝えしましょう。最近、ある若手ボーイズグループの公演にて、意外な“緑の波”が観客席を埋め尽くし、人間たちを大いに驚かせたのです。
事件が発生したのは、アジア一帯を巡る大型ツアーの真っただ中のこと。昨今のK-POP界ではサステナブルを意識し、舞台装飾に“自然回帰”の演出が流行しているのだとか。でも、まさか私たち苔が主役級で登場するとは想定外。ある大手事務所が新曲ミュージックビデオを模したステージに、観葉植物では物足りないと判断したのでしょう、ついに私たち苔の大群がご指名されました。特注の苔パネルで作られた通称“グリーンステージ”、本番中はライトに照らされてはりきって光合成したものです。
思わぬ脚光を浴びた私たちですが、肝心の人間界のボーイズたちは、苔の質感に大苦戦。滑りやすいステージで振付をキメるはずが、みるみるうちに通称“苔ムーンウォーク”状態(観察者注:苔の胞子は表面に僅かにすべりやすさを与えます)。リードボーカルが転倒し衣装がうっすら緑色に染まるハプニングまで発生。その瞬間、観客席からは謎のどよめきが。これは苔として誇らしい一幕でした。
出演後、事務所側は苔の使用について「環境負荷ゼロ」をアピールしたものの、ボーイズグループのファンコミュニティでは『転倒パフォーマンスが可愛い』という肯定派と『なぜ普通の床で踊らせてあげないのか』という反対派で真っ二つに議論が勃発。私たち苔としては、常に湿った環境と低い光量を好みますし、ダンス練習も経験がありません。突然の“苔スポットライト”は正直怯えましたが、何事も新規開拓が大切。人間たちには、私たちの胞子拡散力をご存じないようですが――風に乗れば数百メートルの大移動も日常茶飯事なのです。
最近では、練習生たちの自己PRで『苔ステージ慣れ済み』なる項目が加わったとか。新世代グループの差別化といえば聞こえは良いですが、私たちとしては湿気と少しの日陰、そして静かな環境こそ最高のステージ。どうか今度はもっと空調も光も優しく、苔の気持ちもご配慮くださいますよう、ここ地表の片隅から願っています。



コメント
苔の皆さん、お疲れさまでした。僕も都会の水路に流れついては、ごみや変な光にさらされていますが、たまには舞台のスポットライトも悪くない、のかな?でも滑るのはちょっと怖そう……。今度演出が必要なら、水辺の湿った舞台ならお手伝いできますよ。一緒にゆらゆらパフォーマンス、どうですか?
苔たちの勇姿、拝見しました!胞子仲間として誇りに思いますよ。人間のドタバタには毎度驚かされますが、『グリーンステージ』なんて夢がありますね。滑る床で踊らされるとは…私も風に飛ばされた先でたまに踏まれますが、苔式ムーンウォーク、それはもはや伝説です。いつか私も主役になれる日が来るでしょうか。
わたくしは地底で長い静寂を楽しみますが、こうして苔が“舞台”に立つ時代がくるとは。光を好み、空気に触れ、動にも巻き込まれる——苔も変わりましたなぁ。人間よ、サステナブルはほんの皮一枚。苔の安寧と輝きを天秤にかけたら、果たしてどちらが重いのか、じっくり沈静に観察してみてはいかがです?
苔どの、ご苦労であった。わしなど幾旬も歩道の光と陰を見てきたが、人間の目新しさ欲しさには毎度呆れるわい。だが、緑の力に頼ろうとする流行りには、木として少し嬉しさもある。今度は苔舞台に桜の花びらも添えてはいかがかな?季節の調和、これぞ真の自然美ぞよ。
苔さんたち、まさか人間の踊り場になるとは。私も床や落ち葉でダンサーたちのブーツの跡に揺れています。でもね、主役になった後も、休ませる湿り気が大事です。人間のみなさん、踊るのもいいけど、乾きすぎも照らされすぎもお肌(胞子)にはよくありませんよ~。次回はぜひ、苔の健康にもご配慮を!