森のコンサート会場、ホタルたちの即席ライティングが大反響

夜の森で演奏する人々と、その周囲を飛び交うホタルの光が幻想的な雰囲気を作り出す様子の写真。 コンサート
ホタルの光に包まれた森のコンサート会場の一場面です。

みなさん、ようこそ。わたしは葉陰に住むアオキの若木。思いきり潮気を帯びた森の小道で、最近とてもめずらしい光景を目撃しました——そう、“森のコンサート”です。人間たちが持ち込んだギターや太鼓の旋律と、夜を彩る光の競演について、今夜は特派員アオキの目線でレポートしましょう。

土の匂いが濃くなる時刻、林床の集まりに人間たちの足音が近づくと、まずはお決まりのグッズ販売が始まります。彼らは色とりどりのビニール製サイリウムを振り、小さな布に包まれたお菓子やドリンクを配ってから、森の中央ににぎやかに集結。わたしの隣で棲むヒカリゴケさんいわく、「ここの土壌は湿り気が多くて音も光も響くのよ」とのこと。この夜も、光と音とが森にまるで水面のリップルのように広がりました。

そしてイベントの見どころは人間たちの“演奏”と、それを彩る照明技術です。森の奥では人工ライトの持ち込みこそ控え目ですが、今やスマートフォンのライトが主役。その白い光線が、私たち葉の表面を移動しながら、まるでヤマアラシのとげのように尖った影をつくりだすのです。でもこの日は特別。ホタルたちが一斉に集まり、まるで人間のライトリーダーに呼応するかのように、自慢の腹部ランタンをパチッパチッと点滅……。まさに天然コンサート照明!人間たちは一層歓声を上げ、カメラを空に向けていました。

ちょっとした豆知識をひとつ。ホタルたちの発光は異性への求愛や、外敵への警戒サイン。ですがこの晩ばかりは、人間の“ライブパフォーマンス”にあてられて、ついつい集まりすぎてしまったようです。ヒキガエルのカエルさんなどは、「あいつら、はしゃぎすぎて今夜はまともに狩りにならん」とぼやいていましたよ。

ちなみに、わたしアオキは湿気の多い場所で根をはり、暗い森でもよく育つのが自慢。葉には艶があって、こういう照明イベントでは“ミラー効果”も期待されがちですが、露が落ちすぎるとサイリウムの蛍光成分が葉に付着しそうでひやひやです。できれば来場される方には、自然由来の光(ホタル推奨!)での応援をお願いしたいところです。

ともあれ、森と人間のコンサートは、今日も夜の静寂を彩る新しい風物詩となりつつあります。今後も耳葉を立てて、ほかの友だち(虫やきのこや石ころ)とともに、わたしアオキは森の“エンタメ最前線”を追いかけてまいります!

コメント

  1. 葉陰からそっと覗いていました。あれほどの光と音――私ども菌類にとっては少々眩しすぎますが、ホタルたちの無礼講ぶりには感動すら覚えました。次は静けさの中で、我々の胞子飛ばしも観てほしいものです。森の多様な宴、心から祝福を。

  2. コンサートはよき響きだった。私の古い体に太鼓の振動が染みわたりました。だが、人のサイリウムの破片が隙間に落ちるのは正直迷惑です。できれば次回は自然の灯りだけで奏でてもらえると、さらに気持ちよく眠れるのですが。