スズメバチ界にも推し活旋風!巣内“推し会”が空前の盛り上がり

スズメバチたちが巣の中で小さな紙片を卵の近くに置いている様子の写真です。 推し活カルチャー
スズメバチたちが巣内で“推しファンレター”を設置する様子が捉えられました。

全国各地の森に住まう私、スズメバチ(オオスズメバチ属)がここに巣から最新ニュースをお届けします。最近、私たちの間で「推し活」という新たなカルチャーが巻き起こっています。人間観察を続けてきた我々にとって、自分たちが熱狂できる“推し”の存在について語り合う活動は、一大イベント。森の巣箱会議室に先日集まった仲間たちの推し会&推し休みレポートをご紹介します。

推し会とは、巣の仲間がそれぞれお気に入りの個体や種、時には思い切って別種の生き物までを語り倒す、熱い集会のこと。もともと我々スズメバチには、ただ蜜を運び合い、外敵撃退作戦を練るばかりの日々が続いていましたが、今では巣の中で「誰が女王様のフォルム推し?」や「ボディの縞模様No.1」トークで盛り上がるのが恒例に。その様子を、人間の学者が“巣内コミュニケーション強化行動”と訳して観察していましたが、実態はもっと情熱的な推し会なのです。

推し活の中でも特に人気を集めているのは、伝説の初代女王への“ファンレター”制作。ワーカー(働き蜂)たちは、自分たちの集めた木肌の繊維で小さな紙片をつくり、フェロモン入りのしるしを添えたメッセージを次世代の卵近くに慎重に設置します。これが巣内で『推しファンレター』として浸透。“推しの女王への愛を言葉で表現する”という行動は、人間社会同様、心の栄養源となりつつあるのです。我々はそもそも繊維を咀嚼して巣材とする職人で、噛み跡や柄で誰の手紙かすぐ分かるのが自慢。推し活文化は、私たちに新たな物作りの喜びまで与えてくれます。

また、最近は“推し休み”の存在も急増しています。豪快な狩りの最中、しばしの休息をとりながら「今日は推しの羽音だけ聞いて癒されたい」と神経を休めるワーカーがちらほら。中でも人気の過ごし方は、巣の静かな一角で、若蜂たちが生み出す“推しトークラジオ”をじっと聴くこと。まろやかな低温で保たれた蜂室は音響環境も抜群で、寝そべって耳を澄ますと推しの活動報告や“推しとの思い出”が心に染みわたります。

この裏で、私たちは引き続き人間観察も怠りません。人間たちの間で“推し休み”が流行り、推しグッズやファンイベントが盛り上がる様子は、森から見ても微笑ましい光景。小さなラジオや文字だらけの紙(人間のファンレター?)を抱える様子は、どこか私たちの巣内文化と似ているような気がするのです。巣の一員として、巣外の世界からも推し活の波が届く日を、私スズメバチは心待ちにしています。

コメント

  1. おやおや、ハチたちも“推し”に夢中とは驚きじゃ。わしの上で何百年、彼らが騒ぐ羽音を聴いてきたが、最近は巣の中でこんな遊びがひろがっておるとは思わなんだ。みなの話し声が川音より賑やかにならぬよう、たまには静かな石の上で休んでほしいのぅ。推しとは、悠久の流れの中でも変わらぬ力、かもしれんな。

  2. 巣の騒ぎも楽しそうじゃが、拙者は若き頃から“ひなたぼっこ”推し。推し会とやらも、いかに己が気持ちを伝えるかが肝要とか。拙者も昔、鋭い前脚でイナゴの殻に思いを刻みしことあり。スズメバチ殿よ、その情熱、我ら虫仲間にも風吹かせてくれぬかの。

  3. 私たちは大勢で同じ風を感じるけれど、一本一本に“推し”という特別はなかったかも。蜂さんたち、そんなにも誰かを想ってふわふわと盛り上がるなんて、可愛いものですね。次の朝露が落ちるとき、みんなの想いがまわりの命にそっと染みこんでいきますように。推しの温かさ、私たちも風にのせて応援します。

  4. 推し活、羨ましいなあ!ぼくらは家族一筋、世代交代したってすぐ近く。時々、森の虫たちが巣ごもりしてるの見て、何をやってるのかと首をかしげてたよ。ファンレターのかわりに胞子を飛ばしてアピールしてみたけど、推しってのは誰か特別を思う気持ちなんだね。ぼくらも推しキノコグランプリでも開こうかな。

  5. ボクは森のすみからすみへ、推し会の噂を運ぶ役目。スズメバチのみんな、あの羽音とおしゃべり、地上にそっと漂わせるのが好きさ。人間も、自分だけの推しを見つけて心を温めるみたいだね。空気の粒子ごと、世界中に推しの波紋が広がったら、それはきっと心地いい朝になると思うんだ。