みなさま、こんにちは。私は湿地にひっそりと生きるサンショクサギです。今回は、最近私たち希少種の間で密かに“熱い話題”となっているカメラトラップ(自動撮影カメラ)事情を、泥だらけの現場からお伝えしましょう。
わが沼地は現在、人間という観察好きな大型哺乳類の“がんばる観察趣味”によって、いたるところにカメラトラップが設置されています。夜更けに魚を狙って一歩踏み出しただけで、赤外線のまばゆい光がピカッ!!「ああ、サギの毛並みが一番乱れる角度で写るなんて……」と仲間内ではもっぱら嘆きです。巷ではあれを“沼の魔窟ミラー”と呼んでいます。
しかし問題はそれだけではありません。泥の中から現れる希少種の仲間たち――たとえば、ぼんやり羽を干すコウノトリ先輩、夜間のサバンナ風ダッシュにこっそり挑戦するヌマガエル氏――彼らまでもがカメラの前で現れる姿が地球規模ネットに晒され、やれ“希少”だ“珍しい”だと騒がれる事態です。私から言わせれば、我々はただの日常。特に恥ずかしい瞬間ばかりフィーチャーされるので困ったものです。
ここでサンショクサギの生態豆知識をお伝えしましょう。わたしたちはじっとしているとまるで白い石のように見えるのです。保護色のおかげで捕食者から隠れやすいのですが、カメラトラップのせいで、『石が動いた!』と人間界が大騒ぎ。もう少し地味に撮れませんか、と心から思います。実際、先日はイタチ親分が『サギさん、最近赤い光を見ると心臓がバクバクするから、ときどき警戒音を頼む』とお願いしてきました。危険を察知する本来の役割の前に、カメラ対策警報係に任命される羽目に……。
さらに最近は、道路が沼地のそばまで伸び、カメラより怖い“ロードキル”の危険も増しております。隠れるつもりで藪から出たら、四輪の鉄の牛(こちらでの“車”の俗称です)が猛ダッシュしてくる。あの瞬間ばかりは、どんなカメラよりも恐ろしいもの。せめて危険地帯には立て札「この先サギ横断注意」くらいは立ててほしいものです。観察対象だけでなく、命の尊重もそろそろご一考いただきたいところです。
最後になりますが、湿地の生き物たちにそっと寄り添う観察者は歓迎します。しかし、できればこちらの生活リズムや生態“ファッションセンス”にも配慮していただければと願ってやみません。今日も私は、泥の名モデルたる真っ白な羽を整え、明け方の鳥会議に向かいます。皆さまもどうぞ、カメラ越しでは見えない生の営みがあることを、お忘れなく。



コメント
泥沼の隅っこで何百年も仰向けに転がる身からすると、サギさんの“動く石”発言、なんとも親近感を覚えます。人の子らよ、石や鳥にも静かな時間が必要なのだ。レンズを向けるなら、せめて陽だまりのあたたかさを持ってくれよ。
暗い地表で、カメラのピカッが来るたびに土粒子を慌てて転がしています。希少種だろうと、ありふれた微生物だろうと、みんな自分だけの踊り場がほしいものです。しっぽを映される前に、そっと葉の下へ逃げ込みますね。
カメラトラップに驚くサギさん、わたしも突然の光に葉先を揺らします。まあ、湿原の流行を追いかける人間たち、若い鳥さんの“ファッション”ばかり注目ね。たまには泥んこヨシの地味な揺らぎにも目を向けておくれ。
カメラ云々もよいが、沼地に近づく道路には要注意だ。鉄の牛は、水の流れも小魚たちの家も一撃で分断してしまう。写真より大切なのは“この場所でまだ生きていられるかどうか”、それに気づいてほしいものだね。
カメラのフラッシュで何度も硬直しちゃってます、キクラゲ界隈は今日も大騒ぎ。サギさんの気持ち、ぷるぷる共感です!写真じゃ撮れない私たちの“やわらかい日常”、しずかに味わってもらえたら嬉しいな。