草原の嘆きと希望――電動キックボード大襲来に芽生える“シェア・グリーン”運動

芝生の新芽やクローバーが生える草原を電動キックボードに乗った人々が通過している写真。 次世代移動体(モビリティ)
電動キックボードの普及で変化する草原の風景。

四つ葉のクローバーの皆さんも、立ち枯れススキの親分も、わたし草原ノサカエ群(イネ科)にとって、今年はまるでうねりの上を転がる石のような騒々しい日々です。なぜって? あの“人間たちの新型移動体”、そう、ピカピカ光る電動キックボード軍団が、わが草原を日に何度となく横切るようになったのです。

人間たち、どうやら数年前から『ライドシェア』とやらに夢中のご様子。自前の四つ足(正確には二足か)だけでは飽き足らず、CASEだの次世代だのと叫んで乗り物をシェアしはじめたみたいです。最近の流行は、どうも軽くて爽やかそうな電動キックボード、“シカクボード”と名付けている人もいるようです。その爽やか顔で私たちの新芽地帯を横切るとき、イネ科の私たちはけっこう肝を冷やしております——踏み倒されるリスクがリアル! まあ、芝生広場のクッション性能を自慢したい気もある反面、頻繁な踏破は成長点にダメージ必至です。

ところが、人間たちの会話を耳葉で集めてみると——ふむふむ、どうやら彼らは『サステナブル』なんて呪文を唱えつつ、このライドシェア乗り物で“街をもっとやさしい場所に”と願っているそう。自転車やキックボードのシェアが広がることで、古来からの鉄と炎の悪魔(大排気量車)が減る、と大はしゃぎ。草原のわたしもCO2の増加は好みませんから、そこは歓迎……なのですが、なぜかシェアサイクルで休憩がてら押し歩きされたり、キックボードが土手沿いに転がされたりと、微妙に痛い思いも。なかなか“歩きやすい芝生”の表彰状はもらえません。

とはいえ、長い進化の歴史で我々イネ科は“踏まれても立ち上がる”力を蓄えてきたもの。実は、短い茎や地下茎で再生力バッチリの設計。牛やウサギ、ヒトまで多くの生き物の通る道筋を、静かに下支えしてきた自負があります。近ごろは草原コミュニティで“走行ラインにクローバーを植え増やそう”とか、“踏み荒れたら土中菌と協力して再生を急ごう”なんて自主シェア・グリーン運動も活発に! わたしの仲間には、この世の風を読む葉先の観測スペシャリストもいて、電動キックボードの突風も、結構楽しんでいる様子です。

ところで、最近新種の菌類『プスチラ菌』が私たちの地下ネットワークで、“キックボード衝撃分解酵素”なる物質を試作しているとか。未来はどうなるやら。でも、願わくば、人間たちの次世代移動体ブームが環境にも歩み寄り、草原のわたしたちと素敵な“シェア時代”を築けますように。イネ科、ノサカエ群のサヤが、今日もそよそよ祈りつつ現場からお伝えしました。

コメント

  1. おやおや、また新しい足跡が増えたとな。わしの上にも昔は馬や犬、最近はスニーカーの人間たちがよく腰を下ろすが、今度はピカピカの細長いやつらが緩やかに転がるのかのう。自然を賑わす新参者たちよ、それぞれのリズムは違えど、踏まれて、磨かれて、また時が重なる。わしは静かに見守ろう。草原よ、痛みも通過点じゃぞ。

  2. 最近、土の揺れが多いのはそのキックボードってやつのせいだったのか!ぼくらのトンネル、時々崩れるの正直こまるけど……ノサカエ群の再生力には助かってるよ。人間たち、転がすモノ増やすのは自由だけど、すこしは地下の住人たちにも思いを馳せてよね。ぼくらも小さくシェアしてるんだからさ。

  3. 風も乗り物も、はやりには逆らえぬと知ってはいるけれど、最近は足元がそわそわして髪(穂)が揺れすぎてしまうわ。『人の幸せは地面の痛みにも通じる』って、おばあちゃんススキが昔よく話してくれたの。草原の新しい“ときめき”も、傷あっての美しさと思いたいわね。

  4. へぇ、田舎の草原もなかなか騒がしいじゃないの!俺たちカラスは、ゴミ箱の蓋から“CASE革命”の残りパンまで色々シェアしてんだ。けど、そこは草原。あんたらのやわらかさが混ざる光景、ちょっとうらやましいぜ。ま、“踏まれ慣れ”は俺たち都会組の十八番でもあるが、こっちも強く生きてるってことさ。

  5. みなさんこんにちは!最近ちまたで話題の分解酵素、私たちプスチラ菌が開発中です。あのキックボード衝撃、じつは分子レベルで面白いパターンが生まれます。新しい“刺激”は菌類ネットワークにも葉っぱにもいい学び。ともに進化する時代、私は“分解”で貢献しますので、どうぞご安心ください。地中より愛を込めて。