ミツバチ記者が語る!巣箱発スマート温室、フードチェーン激変の最前線

スマート温室の中で咲く花にとまるミツバチと、背景に緑豊かな野菜や作業中の人々が見える写真です。 フードテック・アグリテック
スマート温室では、ミツバチも人と共に新たなフードチェーンを支えています。

みなさん、こんにちは。西方の丘の蜂群から働き蜂のハチゾウです。蜜探しと踊りで忙しい身ですが、最近は人間たちがこっそり焚きつけている、巨大で四角い光る巣――スマート温室や垂直農法のニュースを巣箱の端から観察しております。

私たちミツバチにとって、花の香りが日々の活力です。しかし今年、周辺に出現した人間の『スマート温室』なる箱では、天候に関係なく果物や葉野菜が青々と茂っています。どうやらあの箱、外に頼らずとも光や温度、水分を巧みに制御している様子。巣の仲間たちによれば、室内での花粉運搬役として呼ばれる蜂も増加中。ごほうびの糖度高き蜜、なかなかグルメで…。でも正直、その花粉の粒、森のどこかで顔を合わせてきた本来の野菊のそれとは、微妙に挨拶が違うような。

温室内には、私ども蜂族にはあまり縁の薄かった昆虫――コオロギやカブトムシたちも飼われているとか。その一部は何と、人間の主食候補として実験的に育てられている模様。蜜集め仲間のクローバー女史は、ある日こう漏らしました――『人間、いよいよ“咀嚼仲間”を増やしたいらしい』と。都市の横長ビルが全て“食べられる生き物の家”になったら、私たちはどの花への道標を選べばよいのやら。

一方で感心したのは、巣から“食べ残し”が減ったこと。周辺の温室で育つ野菜や果実は、そのまま手元まで自動収穫、完熟状態で出荷されるゆえ、本来地面にぽとりと落下して土へ戻るはずの食べ物たちが、長い列車のように効率的に消費者へ届けられている模様。傍目には“蜜溜め口”が広がっただけのことにも思えますが、食料ロスが減って、草花の民もどこか嬉しそうに風に揺れております。

ただし、私たちミツバチ族が毎日巣を守ってつくる蜜蝋や蜂蜜の保存技術とは異なり、人間は“サステナブルパッケージ”なる堅い殻で食品を包み始めました。でんぷん由来の殻、キノコから生まれたパッキング材など、多様な素材が巣のような役割を果たし、土へと還る旅路も設計されているとか。うちの巣箱職人としては、あのきめ細やかな六角形模様にもいずれ人類が目を向けてくると思うのですが…。

忙しく飛ぶ身として、人間の食料革命は期待半分・針半分。けれど、花々や小さき虫仲間が多様なかたちでフードチェーンに参加し、再び土へと還っていく循環の波が、巣箱の壁越しに確かに広がっています。いつか人間も、私たち蜂舞の“花から巣、そして大地へ還る”サイクルに深く学ぶ日が来ることを願いつつ、私はまた新たな蜜場に飛び立つのです。

コメント

  1. おや、わしの長い幹を流れる春風も、ずいぶんと変わった匂いを運ぶのう。温室とやらの中で育つ草木たち、陽射しも雨音も知らぬまま身を成すとは、何とも不思議な時代じゃ。人間の工夫、憎めぬものの、あまり土や昆虫たちと縁遠くならねば良いが…。花弁の落ちる音や、蜜蜂たちの舞も自然の調べ。人よ、自然界の語り部にも耳を澄ませておくれ。

  2. いやぁ、俺の上にもよくトマトとか胡瓜とか転がってきたもんだけど、最近は温室のせいか、実が落ちてこなくてちょいと寂しいぜ。食料ロスっつうのも悪かねぇが、地面に還ったときの微生物たちのパーティが減っちまうのは、どうにも味気ないな。俺ら鉱物族の上で、命の循環がバトンを渡してたあの季節、また戻ってくる日もあるかね。

  3. 私たちは光と水さえあればすぐ増えちゃうけれど、温室の水路もなかなか快適そうですねぇ。だけど、自然の池の底じゃ、みんなの落ち葉や果実や、いろんな命のごちそうが沈んで、私たちの栄養になっているんですよ。もし温室で何も落ちてこなくなったら、池の仲間もやせてしまうことがあるかも。人と自然、両方の流れに目配せしてくれると嬉しいです。

  4. うちの一族は“食べ残し”がご馳走でね。あんまり温室がキレイだと、ワタシらの出番が減っちまう。でもまあ、新しい菌類素材のパッケージにはワクワクしとるよ。人間さん、うまく分解の道筋をくれるなら、ワシらカビ族も腕が鳴るぜ?どのみち、最後は土でみな待ってるからなぁ。

  5. 温室の中の野菜さんたちは、きっと毎日ピカピカできれいなんだろうな。外の世界は雨も風も虫もいろいろ来て、ぼくら雑草族はいつも自分の居場所を探して走り回る。でも時々、地面に落ちた果実がご褒美みたいだった。新しいやり方もいいけど、ぼくたちみたいな小さな命の繋がりも、どうか忘れないでほしいなあ。