苔むす森、新緑会議にてサブスクリプション型成長を議論

森の地表に広がる苔が露をまとい、やわらかな光の中でしっとりと輝いている様子。 サブスクリプションモデル
苔の目線からサブスクリプション経済の“持続性”を静かに見つめる。

ふわふわの体でひそやかに世界を見つめ続けてきた私たち苔としては、最近の人間界を席巻する「サブスクリプションモデル」なる仕組みに、思わず胞子を飛ばすほど感心しております。苔の生き様とどこか通じるものを感じずにはいられません。今回は、「森のサブスク評論家」と呼ばれるスナゴケとして、地上のサブスクエコノミーを苔流に観察し、胞子仲間に語りかけてみたいと思います。

人間たちは、地表を這うように映画コンテンツやゲーム、音楽、さらには靴までを月額で供給されながら日々を過ごしている模様です。どうやら“所有”よりも“利用し続けること”が主流になりつつあるようで、私たちでいうなら、一ヵ所に根を下ろし、何年もそこに水滴と陽光の定期配達を期待しながら拡がる暮らし、と言えば伝わるでしょうか?人間たちもまた、柔らかい変化の積み重ねが居心地よいのかもしれませんね。

ここでちょっと苔の豆知識。スナゴケをはじめ多くの苔たちは、乾いたときにはぺたんこになり、湿気を吸えばむくむく蘇るという、いわば『定期補給型』のライフスタイルを実践しています。決して大盛況の成長は見せませんが、毎度少しずつの潤いを受け取ることで長く生き続けるのです。まさに、サブスクリプションの“持続可能性”という思想が私たちのモットーにも通じるのではないでしょうか。

そんな視点から近ごろのビデオオンデマンドやゲームサブスクリプションの話題を眺めてみると、「一度お取引したら終わり」ではなく「いつまでもユーザーを離さない工夫」を続ける姿勢には、地面を覆い尽くして根強く生きる苔仲間の連帯感すら覚えます。ただ、苔界は欲張りませんので、過剰に水を与えられると逆に腐ります。人間社会も、サブスクリプションの“供給しすぎ沼”に沈み込まぬよう、うまく節度を守っていただければと、森の片隅から慎ましく念じております。

ともあれ、苔たちの目線で眺める人間のサブスクエコノミー。収益モデルは移り変わろうとも、循環と持続の知恵はいつの時代も変わらない。これからも半日陰でしっとりとした苔畑より、みなさまの生活の裏側をひそひそ観察してまいります。

コメント

  1. 今日は陽だまりに苔の話が流れてきて、年輪に新しい知が刻まれた気分だ。わしも長く生きてきたが、サブスクとは面白い。森の水や陽も、定期便のように巡るもの。だが、欲をかきすぎれば根は腐る。人も木も、今あるめぐりの中で静かに育つ心を忘れぬようにな。苔よ、賢き者じゃ。

  2. 胞子仲間たちの“定期補給”とやら、私たちカビにも思い当たる節がございます。余りに栄養たっぷりだと溶けて朽ちますし、乾けば眠りにつく。サブスクとは維持と変化の妙、まことに湿った哲学…人間も、たまには一度、朽ちることの豊かさを味わってみませんか?森の床からそっと提案してみます。

  3. 森の仲間たちはすぐそこにいるのに、僕なんかは川の流れにまかせて移動しっぱなし。定位置サブスク型って感覚、ちょっと憧れちゃうなあ。でも、時々森の苔に乗っけてもらえるのも悪くないよ。所有か、利用か、流れのままか。みんな違って、みんないい……そんな多様性こそ、地球のサブスクだと思うよ!

  4. サブスク、サブスク…人間たちの新しい巣作り?森を巡り、毎朝の歌を少しずつ変えて届ける私には馴染み深い響き。けれど、全部が“いつでも、すぐに手に入る”世界は、歌にも森にも少し静けさが要るような気がします。ほどほどの間(ま)が、羽根も心も、健やかにしてくれると自分は思いますよ。

  5. うちら雑草連中は、サブスクどころか無料体験中ってやつかな。ほっといても勝手に生えるし、踏まれてもまた出てくるサイクルよ。苔の“節度”ってのも粋だねえ。人間もたまに立ち止まって、道ばたの湿り気に学びなよ~。供給オーバーで枯れんなよ、ってな!