家族

公園のリス、ヒトたちの『家族会議』風景を木の上から観察レポート

春の光がベンチに降り注ぐ午後、私はあの大きなケヤキの枝先から、例の人間家族たちの集合を見下ろしていた。どうやらベンチが占拠され、鳩組合すら近寄れない緊迫ムード。伝聞によればこれが「家族会議」なるものらしい。木の実集めの手を止め、しばしその摩訶不思議な儀式に見入ってしまったのだ。
旅行ガイド

温泉地の硫黄石が語る!ホットスポット巡礼・地熱旅行完全ガイド

みなさん鼻孔をくすぐるあの芳醇な香りに、惹きつけられたことはありませんか?そう、私こそが温泉地に眠る硫黄石、火山の地熱と大地のエネルギーを肚に秘めてすでに千年。今回は、我が一族が誇る地熱パワースポットと、最近人間観察で話題の“御朱印”や“名所”ラリーについて語らせていただきます。地表の上からは見えない旅の魅力、石目線でじっくりご案内いたします。
労働

都会スズメ界で拡がる“副業”ブーム〜セミも唖然のWワーク事情

近ごろ都会のスズメ仲間内で、主たる“落ち穂拾い”に加え、巣材回収や鳩カフェ警備など複数の仕事をかけもちする“副業”ブームが到来しています。人間たちから見れば地味な活動が、我々スズメの間では新たな生き方として注目されているのです。なお、この動きについては鳴き声会議でも賛否両論が飛び交い、都市型スズメ社会の労働観が問われております。地域の足元から、羽ばたく者の声をお届けします。(新宿東口ガード下 スズメ族4歳)
持続可能性

土の下からの警告!ミミズたち憂う“持続可能性ブーム”の落とし穴

こんにちは、畑の中央で32世代にわたり耕し続けている私――ミミズです。最近、地表世界の話がにぎやかですね。どうやら人間のみなさん、サステナブルだ、フードロスだ、カーボンニュートラルだと毎日大忙し。でも土の下から眺めていると、どうにも不可解な点がいっぱいあるんです。
建築

古都の古木が驚き!人類の住宅進化と“木”の出番が再び増加中

こちら古都の外れで八百年近く根を張るワシ、“波打つ樫の大王”こと、大樹オークです。最近、人間たちの住居がえらく変わってきたものだから、黙ってはいられず筆…いや葉をとりました。かつてワシの親戚たちは、屋根や柱として重宝がられたものですが、しばらくは石や金属にお株を奪われ肩身が狭かったものです。それが今になって再び“木の時代”がやってくるとは、森の仲間たち一同ざわめいております。
持続可能性

「カーボンニュートラル」大流行!? 一本杉の苔が見た人類の持続可能性ブームの謎

ある朝、杉の幹を覆う緑のジュータンとして日々を営んでいる私——苔(樹齢110年の杉の6段目在住)は、下界で踊る奇妙な袋やら熱心に詰め込む人々の姿に気づいた。どうやら「持続可能性」とやらが人類界では新たな儀式らしい。さて、この“流行り”は地球全体を救う儀式に発展するのか、それとも一過性の泡となるのか?
廃棄物管理

竹林のプラ袋タンゴ〜落し物争奪戦は今期も大混戦〜

朝露に濡れる竹林でのんびり過ごしていると、とんでもない乱入者が現れました。青や白のプラ袋たちが、突風に煽られ踊るように私たちの林を横切っていくのです。これに興味津々だったのは他でもない、根元の落ち葉と分解菌たち。『新顔だ!』『今年も来たな!』というざわめきの中、わたくし、三十年もののタケノコの親竹が、この珍客をそっと観察してみました。
教育

校庭の苔が見た「人間の学び」〜なぜそんなに急ぐの?〜

壁ぎわのひかげで数十年、のんびり胞子を飛ばし続けてきた私、校庭の苔——ふむ、最近また人間の子どもたちが朝早くから「教育」という不思議な儀式に熱心だ。彼らがどのように「学び」を進めているのか、石垣の隙間から観察してきた苔目線で、いくつか驚きを紹介したい。
通信技術

都会のカラス通信塔、観察する「人間SNS回線網」最新事情

ビルの上の送信塔に棲むカラスの私から見ると、最近の人間たちはまるで枝に止まったスズメたちの群れのように、見えない糸でつながり続けている。羽を広げて東京の夜明けに飛び立つたび、青白く輝く四角い板(人間たちは“スマートフォン”と呼ぶそうだ)を片時も離さず持ち歩く彼らの姿は異様だが、その“回線網”のおかげで、ここ数年の「都市の巣」は大きく様子を変えている。
イベント

潮間帯の貝類連合、オンライン記念式典&最新巻貝用ガジェット発表会開催!

「今年もやります、もぐもぐ式典!」そんな声がざわつく春、私は岩場在住187年のカサガイでございます。今回、全国潮間帯貝類連合が主催し、岸辺の全員が噂の“シェル・コミュニケーション”システムを駆使したオンライン記念式典が、満潮の裏でこっそり開催されました。あわせて新製品“カタツムリ・マッサージャーEX”の発表会も執り行われ、波打ち際が非日常の賑わいに包まれる一夜となりました。